「正直なところ、もっとも難しいターンだったかもしれないが、ドリス(・ファントール)がターン14“スタベロ”で小さなミスを犯したため、出口でのスピードが彼よりも速くなった」と説明したピエール・グイディ。
「僕はそこでサイド・バイ・サイドに持ち込んだ。高速コーナーで後ろにつくと前が見えなくなり近くにいるのが難しくなる。雨の中ではほとんど何も見えない状況だ」
「理由は分からない。だがあの時、自分の気持ちが『行かなければならない』と言っていたんだ」
この劇的な展開の末、51号車フェラーリをシェアしたコム・レドガーとフェラーリ・ワークスドライバーであるニクラス・ニールセン、そしてピエール・グイディの3人はスパ24時間で初勝利を飾っている。
「この素晴らしいレースに勝つために何度も挑戦してきた。総合2位を2回経験し、プロ・アマカップでは2回優勝した。しかし今回の総合優勝はそのときと同じ気持ちではない」と語ったピエール・グイディ。
「僕は24時間の終わりに、全員の前にいたかったんだ」
■フェラーリ陣営の予想よりも早く降り始めたスパの雨
フェラーリ・コンペティツィオーニGTのテクニカルディレクターを務めるフェルディナンド・カニーゾは、予想よりも早く雨が降ってきたため、ピエール・グイディがスリックタイヤでフルウエットのトラックを1周することになったと述べた。
「雨が降り始めた直後はコースがどれほど濡れているのか正確には分からなかった」とカニーゾはSportscar365に語った。
「もし、すぐにピットインさせていれば……(順位を守れたかもしれない)。ファントールのアウディはとても良いアウトラップをとっていたので、我々はミスを犯したと思っている」
「フルコースイエローを見たとき、その後のセーフティカーランを期待していたが、幸いなことにリーダーとの間に数台のクルマしかなく悪いポジションではなかった」
カニーゾは「突然の雨で10台ものクルマがスピンしていたので、もっと早くフルコースイエローが出ることを期待していた」と付け加えた。
「もしもそうなっていれば、私たちはクルマをピットに戻してレインタイヤを与えてコースに送り出し、彼らの前に出る時間があったはずだ」
「(2番手となって迎えたレース再開後は)アレッサンドロの能力を知っていたので、再逆転が可能であると信じていた。そして、その期待どおり彼はとても素晴らしい仕事をしてくれた」

