同社はこの夏、ギアボックス関連の遅延に遭遇したため、初走行の時期を見定めるのが困難になったと理解されている。

 コレスは本拠地があるドイツでの最初のロールアウトに続き、ポール・リカールやモンツァなど“いつもの場所”をテストのために訪問するだろうと予想している。このテストは最終的にホモロゲーションにつながり、公認取得後は基本的に5年間にわたって仕様が凍結される。

「それは完全に新しいクルマだ」とコレスは語った。

「PMCプロジェクトLMHにはキャリオーバーのパーツはなく、100%フィットさせる必要がある。つまり非常に高い水準の品質でなければならない」

「LMP1時代の我々の弱点は“急ぐ”ことだった。その反省から、いま我々には時間のプレッシャーはない」

「ACOフランス西部自動車クラブにはル・マンでクルマを走らせたい旨を伝えたが、レギュレーションが変更され、LMHエントラントとしてレースごとにエントリーすることができなくなった。これが我々が2月に決定を下した理由だ」

「私たちは1年スキップし、その間にクルマをより良くする開発を行うことを決めた。何のために50万ユーロ(約6400万円)を支払うのか、その意味を見いだせなかったからだ」

「とはいえ、当然できるだけ早くテストに行きたいと思っている。なぜならホモロゲーションに縛られてしまうので、(その前により多くの走行機会を得て、相対的に)ホモロゲーションを可能な限り遅らせたいんだ」

 バイエルン州のグレーディングで自社生産されるPCMプロジェクトLMHには、バイコレスがENSO CLM P1/01で使用したLMP1用エンジン、ギブソンGL458 V8をLMH用に最適化したものが搭載される。

「基本は同じだが、まったく同じエンジンではない。明らかにいくつかの改良が加えられている」とコレス。

「それは最適化され、たしかに電子制御システムはまったく異なるものになっている。また、パワーとトルクのカーブもLMH規定下で必要とされるものに調整する必要があった」

 バイコレスの新しいレーシングプロトタイプは、同社が掲げる“PMCプロジェクト”3本柱のひとつを形成するもの。のこる2本の柱はサーキット専用のトラックデイモデルと公道走行が可能なロードゴーイングモデルだ。

PMCプロジェクトLMHのLMHロードカー(イメージ)
“PMCプロジェクトLMH”のLMHロードカー(イメージ)
バイコレス・レーシングチームのENSO CLM P1/01・ギブソン
バイコレス・レーシングチームのENSO CLM P1/01・ギブソン

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