この争いはフィニッシュまで残り12分で起きた14号車と38号車の接触によって幕を閉じる。2台のスピンの煽りを受け急減速を余儀なくされた88号車の脇を抜けていった25号車アウディR8 LMS(サンテロック・レーシング)が漁夫の利で2番手に浮上。88号車メルセデスは3番手となる。
そんな混乱を他所に独走状態となったトクスポーツWRTのメルセデスは後続を8.8秒引き離してトップチェッカー。25号車アウディが2位、アッカASPの88号車が3位表彰台を獲得した。
一方、ポールスタートの38号車は悔しい22位フィニッシュに。また、スピンから4番手でレースに復帰した、シルバーカップのランキングリーダーである14号車にはドライブスルーペナルティの裁定が下り、こちらは14位でレースを終えた。その14号車とタイトルを争う富田竜一郎/フランク・バード組31号車アウディR8 LMSは24番手からスタートし15位/クラス4位でフィニッシュしている。
日曜のふたつめのレースは、SROモータースポーツ・グループのGT3シリーズが2013年に開始されて以来、100回目のスプリントカップレースとなった。
現地14時45分に開始されたレース2では、午前中に行なわれたレース1で勝利を収めた6号車メルセデスが、ポールポジションから“ライト・トゥ・フラッグ”の完勝で週末2連勝を飾り、アッカASPの89号車メルセデスAMG GT3が2位、エミル・フレイ・レーシングの163号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoが3位に入り、強豪3チームが表彰台を分け合っている。
チャンピオンシップは、このスプリントカップ最終戦でシルバーカップとプロ・アマカップの王者が決定。前者はエミル・フレイ・レーシングの14号車ランボルギーニのアレックス・フォンタナで、富田/バード組は17.5ポイント及ばずランキング2位となった。
プロ・アマクラスはレース1の結果で事実上タイトル争いが決着し、レース2をフィニッシュすれば戴冠が決まるバーウェル・モータースポーツの77号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(ミゲル・ロモス/エンリケ・シャベス組)が3位表彰台を獲得してシリーズタイトルを勝ち取っている。なお、ポルトガル人ドライバーのラモスはこの日が50歳の誕生日だった。
GTWCヨーロッパの次戦第10戦バルセロナは、同じくスペインのカタロニア・サーキットで開催される。10月8~10日に行なわれるこのレースは今季のシリーズとエンデュランスカップの最終戦だ。






