それぞれの姉妹車である91号車ポルシェと52号車フェラーリが、チームメイトをアシストする役割を担う可能性も高いため、エストーレはとくにレース序盤でのタイヤ・デグラデーションにおいて、激しい戦いが待っていると予測している。
「このトラックはタイヤに非常に厳しく、アンダーカットは非常に強力だ」とエストーレ。
「たしかに、各チームの2台目のクルマが何かを試し、ゲームを少し混乱させ、我々に何らかの反応を試みさせることはできる」
「興味深いものになるだろうね。マニュファクチャラーズ・タイトル争いもまだ決着していないし、両方のチャンピオンシップを制するためには、ライバルの前にいる必要がある。それが決勝の目標だ」
「レースの前半は気温が高く、大変だ。その後気温が下がればタイヤは長持ちするので、摩耗をあまり気にすることなく、フィニッシュに向けてスプリントレースの様相を呈するだろう」
なお、AFコルセは、バーレーンでの第5・6戦においてWECコミッティーより発行されたBoP(性能調整)の決定に対して、木曜日の午後4時に抗議を提出したが、金曜日になってスチュワードはこれを棄却する裁定を発表している。
AFコルセはふたつのBoP決定について抗議を行った。ひとつ目は、第5戦バーレーン6時間レースの前にフェラーリに与えられた最初のBoPに関するもので、ふたつ目は第6戦バーレーン8時間レースに先立って、11月3日水曜日に発表された更新版のBoPに関するものだ。抗議は、LMGTEプロクラスの2台のファクトリー車両に関してのみ行われており、LMGTEアマクラスの488 GTE Evoは対象外だ。
第5戦バーレーン6時間レースの前には、WECのオートマチックBoPシステムの範囲外で、パワー削減を要求されていた。その後、第5戦のレースでライバルである2台のポルシェに対して苦戦を強いられた後、チームはBoPを第3戦モンツァの状態に戻すように要求していた。
11月3日に発表された更新版では、フェラーリが最初の裁定により失ったターボブーストのうち半分が戻り、搭載燃料容量が2リッター増加していた。
金曜日になってスチュワードから発表された裁定では、「WEC技術規則第20条が唯一法的拘束力のある規則である」という結論により、51号車ならびに52号車からの抗議を棄却している。
「WEC技術規則の第20条は、WECコミッティーがその絶対的な裁量により、必要であるとみなす変更を実施することが許されていると、明示している」と裁定には記されている。
「競技者を拘束するWEC技術規則第20条、または第20条に基づいて行われたWECコミッティーの決定の合法性について、スチュワードがレビューすることは許可されていない」
「WECコミッティーの決定は最終手段として行われるものであり、これに抗議することはできない」
