ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.11.19 00:05

D’station Racing 2021 WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン レースレポート


ル・マン/WEC | D’station Racing 2021 WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2021.11.19

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2021 FIA World Endurance Championship
Round 6 Bapco 8 Hours of Bahrain (BHR)

NOV. 5 – 6 Qualify :11th / Race:8th

8時間の長丁場を力走。初年度シーズン最終戦は8位で終える

 2021年からFIA WEC世界耐久選手権に挑戦を開始したD’station Racingの冒険も、いよいよシーズン最終戦を迎えた。本来ならば、チームの地元富士スピードウェイでの日本ラウンドがあるはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今季も開催はなく、バーレーン・インターナショナル・サーキットでのレースに置き換えられた。前週に開催された第5戦と、シーズン最終戦となる第6戦を集中して開催するシステム。D’station Racingの星野敏と藤井誠暢にとっては、今季は初めて走るコースばかりだったが、この最終戦はすでに経験があるなかで週末をスタートさせることができる。第5戦より長い8時間レースではあるが、D’station Racingは2021年を良いかたちで終えるべく週末をスタートさせた。

 走行初日となる11月4日(木)は、午後5時30分から1時間30分のフリープラクティス1回目がスタートした。アンドリュー・ワトソンから藤井誠暢、星野敏と交代し、さらにふたたびワトソン、星野、藤井と代わりセッション終了。ワトソンが序盤マークした1分58秒697がベストとなり、4番手で初日を締めくくった。

 明けて走行2日目となる11月5日(金)は、午前、午後に2回ずつのフリープラクティスが行われ、午前9時からの2回目では藤井と星野が走り12番手に。午後1時20分からの3回目では、星野、ワトソン、藤井と交代し10番手でフリープラクティスを終えた。すっかり慣れたバーレーンということもあり星野も好タイムを記録する。

 この日は1日の締めくくりに午後5時20分から予選がスタートした。今回もアタッカーは星野で、1年の集大成をみせるべく3周目からアタックを展開。2分00秒658をマークし、さらに5周目には2分00秒364にタイムを上げていくが、フリープラクティスまでとはコンディションが変わっており、セットアップがわずかに合わずタイムが伸ばせず。11番手となった。

 迎えた決勝日の11月6日(土)は8時間の決勝レース。今シーズンではル・マンに次ぐ長さのレースだ。スタートドライバーを務めたのは今回も藤井。おなじみの光景になりつつあるオーバーテイクショーを今回も披露していった。

 1周目に早くも5ポジションアップを果たした藤井は、4周目に1台、6周目に1台と集団を抜けだしていくと、7周目には2台抜きでいよいよ2番手に浮上する。そこからは#47 フェラーリとのバトルとなっていくが、これをオーバーテイクする際に、#47 フェラーリとわずかに接触。相手がダートに足を落としてしまう。そして、これがまさかの厳しいペナルティとなってしまった。レースコントロールとしても難しいジャッジではあったようだが、受けてしまったものはやむを得ないところ。藤井はペナルティを消化した後、1時間強のスティントをこなし星野に交代した。

 星野は7番手で前を追ったが、開始から2時間が近づこうかというところで、#85 フェラーリに接触されスピン。#85 フェラーリがダメージを負い、フルコースイエローとなる。幸いこの際にピットインを済ませるが、ダメージはなさそうだった。そのまま星野はダブルスティントをこなし、ワトソンに交代。もちろん8時間レースだけに、まだまだレースは続く。開始から半分となった4時間でふたたび藤井が乗り込むと、交代後すぐに1分58秒915というベストラップをマーク。その後も1時間のスティントをこなし星野に代わると、最後は1スティントをきっちりと消化。最後はワトソンが2時間のダブルスティントをこなし、D’station Racingは長い8時間レースを走りきって、最後は8位でチェッカーを受けた。

 タラレバは禁物だが、もし何事もなければもう少し上の順位だったかもしれない。しかしそれでも3人のドライバー、チームがそれぞれ実力をみせ、チーム全員が見事に仕事を果たし、8時間の長丁場のレースを完遂して2021年のWECの戦いを終えることになった。

2021 WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE
2021 WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE

2021 WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE
2021 WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE

COMMENTS:

Driver:Satoshi HOSHINO
結果的に最終戦は8位となりましたが、ラップタイムも第7戦に比べて自身のアベレージを上げることができましたし、手ごたえを感じるレースとなりました。これでWECの初年度が終了しましたが、ランキング9位ということで、まずまずの成績で終えることができました。もちろんモンツァでの3位、ル・マンでの6位入賞というのが、この挑戦での大きな目標ですので、1年目で達成できたことをうれしく思います。その他にも世界で名だたる、歴史あるサーキットを走ることができ、ドライバーとしても楽しい1年となりました。今後はまだ決まっていませんが、またこのシリーズ、ル・マンにも挑戦したいと思っております。日本からご声援いただいた皆さま、ありがとうございました。

Driver:Tomonobu FUJII
最終戦も予選11番手から序盤トップまで立つことができましたが、ペナルティを受けてしまい、その後のスティント含めペースはあまり良くなく、競争力が高いレースができませんでした。とはいえ3人で走り抜き、8位でゴールすることができたのは良かったです。WECの初年度でどんなレースになるか分かりませんでしたが、ハイレベルなドライバーがそろい、非常に高い次元で戦うことができました。ドライバーとしても得るものが大きかったですし、D’station Racingとして参戦する目標を達成し、表彰台、ル・マンでの6位を得ることができました。星野選手の目標を1年目で達成でき、良かったです。皆さんのおかげで充実した1年を戦うことができました。感謝申し上げます。

Driver:Andrew WATSON
シーズン最後のレースで好結果を残すことができなかったことは悔しいところだ。今シーズン、レースを重ねるごとにいろいろなことが進化してきたし、みんなが素晴らしい仕事をしてくれたと思う。今シーズンを振り返ってみると、やはりハイライトはモンツァでの3位表彰台だろう。D’station RacingとTF SPORTのコラボレーションで生まれた実力を示すことができたからね。この終盤2戦も素晴らしいものだったけれど、最終戦についてはフェラーリと接触してしまったりとアンラッキーなところもあった。でも今シーズン、素晴らしい一年を送れたことについて星野サン、藤井サン、そしてD’station Racingのすべての人たちに感謝しているよ。今シーズンを誇りに思っている。

Team Director:Tom FERRIER
レースについて言えば、最終戦で良い成績を残すことができなかったのは残念だ。星野サンも藤井サンも、アンドリューもペースが良かったからね。藤井サンの接触によるペナルティは納得ができないものだった。それでタイムロスをしてしまったし、5位もいけたはずだ。今回はアストンマーティンの性能調整が良くなかったけれど、そのなかでは強力なパフォーマンスをみせてくれたと思っているよ。いまは2022年を楽しみにしている。今シーズンはレースを戦うごとに成長することができたし、来シーズンはもっと表彰台も獲れるはずだ。ポイントもたくさん獲得できるだろう。何よりル・マン24時間が楽しみだね。

DSR Technical Director:Ryo HIRANO
今回は2週連続のレースで、前戦での結果を踏まえたセットアップ確認からの走行となりました。フリープラクティスでは星野選手も速いタイムで走行することができましたが、予選ではバランスが崩れてしまい申し訳なかったです。レースではセットを変更し、序盤藤井選手の素晴らしい走りでトップまで順位を上げてくれました。少し厳しいジャッジとなってしまった接触によるペナルティもありましたが、星野選手の力走、アンドリュー選手の素晴らしい走りで8位で完走できました。チーム、そして私自身WEC初のフル参戦ととても良い経験でした。初年度としてはでき過ぎなのではないでしょうか。パートナーのTF SPORTに感謝しています。

Chief Engineer:David BREWER
バーレーンでの2連戦は、D’station Racingにとっても良いイベントだったと思う。星野サンも藤井サンも、そしてアンドリューもすごくペースが良かったからね。ただ性能調整の部分でフェラーリやポルシェの方が優位にあったし、そのなかでは堅調な戦いをみせてくれていたが、いくつかのアクシデントが両レースとも起きてしまった。それらがなければ5位には入れていたと思うよ。今季は初めてのシーズンだったけれど、モンツァ、そしてル・マンでみんなのポテンシャルを示すことができたと思う。来季さらに表彰台、トップ5フィニッシュすることもできると思っているよ。D’station Racingとの一年はとてもエンジョイすることができたね。

2021 WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE
2021 WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE


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