また、セラは次のように付け加えた。「メルセデスは間違いなく我々よりも速かった」
「チャンピオンシップに勝つために、我々はアウディのことだけを考えていた」
「私たちの目標はアウディの前に留まることだったからね。僕らにとっては、メルセデスは透明も同然な存在だったんだ」
ボルタは、ピエール・グイディとニールセンの両名が、残り6時間弱のタイミングでマッティア・ドルディ駆る32号車アウディ(チームWRT)をオーバーテイクしたとき、フェラーリチームがアウディのピットストップ戦略を反映できることに気がついたという。
「幸いなことに、アウディは少しパフォーマンスが不足していることが分かった。だから、もし彼らが(2台で)戦略を分けないのであれば僕らはそのまま先に進むだけだと言ったんだ。なぜなら僕たちは(彼らの)戦略をコピーするだけでタイトルを獲得できるからだ」
「レースは、つねにふたつの見方がある。パフォーマンスがない場合は攻めた戦略をとる。チップを賭けてより高い確率のことを選択していくんだ」
「一方、(クルマに)パフォーマンスがあれば、前にいることになるのであまり工夫して動くことはしないようにする」
このとおりのレース運びでアウディ勢を下し、見事IGTCタイトルを獲得したピエール・グイディは、「正直なところ縁石やバンプを避け、ジャンプもせず最後のスティントでプッシュしなかった理由はそれだ」とSportscar365に語った。
「このトラックはクルマとドライバーにとって本当に厳しい。だから、よりフレッシュな状態で戦えるようにシングルスティントで走ることにした」
「最終的には(アッカASPと戦うのは)難しすぎるうえにリスクが高いことを理解し、これのレースに勝つことよりもチャンピオンシップのことを考えた」
「チャンピオンシップとレース、両方で勝てればもちろん良かったが、メルセデスのペースは僕たちには強すぎた。最後のスティントでは、とにかくマシンをマネジメントして最後のフィニッシュまで持っていくことに務めたよ」

