既報のとおり、TGRは2022年シーズンに向け、GR010ハイブリッドにルール内で許される変更を加えた。
そのひとつにタイヤ(ホイール)サイズの変更がある。昨年まで同様の4輪同サイズか、より細いフロントとより太いリヤの組み合わせ、どちらかを選択する必要があったトヨタは、後者を選んで2022年仕様としている。
これにより「我々が昨年直面した後輪のマネジメントに関する課題に対処できることを期待している」とテクニカル・ディレクターのパスカル・バセロンは語っていたが、実際にプロローグまでのテストでは、どのような効果が得られているのだろうか。
「こればかりは、サーキットのレイアウト次第ですね」と可夢偉。フロントタイヤに厳しいサーキットか、リヤタイヤに厳しいサーキットかで、その効果は判断が分かれることになりそうだという。
「フロント・リミテッド(相対的にフロントが厳しい)のサーキットに行ってしまうと、前(フロント)が落ちるともう本当にどうしようもなくなるので、そういうサーキットは正直厳しい」
「ただ、リヤ・リミテッドのサーキットに行けば、リヤのキャパシティは増えているので、多少なりとも良くなっていると思う。現状は全サーキットを走れていないので、シーズンが終わってからでないと、これが正しかったかどうかは判断できないですね」
この部分がセブリングでどう影響するかについては「そういう問題じゃなさそうです」と可夢偉。タイヤのデグラデーションが想定よりも少ない状態だというのだ。歓迎すべき事態ではあるのだが、「その原因がつかめていない」と釈然としない表情を見せる。
ドライバーと同時にチーム代表を兼ねるという、かつてない立場で挑む2022年の初陣。BoPなど気掛かりな面はあるものの、まずは“強く・ミスのないレース”を目指して戦う可夢偉の手腕に注目したい。
