LMP2クラスは序盤、1周目でハイパーカーに割って入ったユナイテッド22号車がリード。およそ35分で1スティントを迎えるLMP2車両は、ハイパーカークラスとの差は広がっていったが、クラス内では激しい接近戦が繰り広げられた。
最初のピット後には22号車、23号車の順でユナイテッドのワン・ツーとなるが、プレマ・オーレン・チーム9号車のロバート・クビカがその背後へと浮上。さらにはチーム・ペンスキー5号車、リアルチーム・バイ・WRT41号車、リシャール・ミル・レーシングチーム1号車、WRT31号車ら、有力どころが上位に集まってくる。
ユナイテッド23号車が首位に立ったあと、一時プレマの9号車もトップを奪うが、トヨタのクラッシュによる赤旗後にはふたたびユナイテッド23号車がLMP2クラスをリードする展開に。
5時間が経過する頃にはWRTの2台が接近戦を繰り広げながら上位へ進出し、31号車が2番手、41号車が3番手につける形となった。
2度目の赤旗を迎える際にはユナイテッド23号車、WRT31号車、リアルチーム・バイ・WRT41号車、プレマ9号車、JOTA28号車というオーダーに。
雨雲が近づくなかSC先導でレースが再開されると、何台かの車両がピットインして5秒間のエマージェンシー・スプラッシュを行ったが、最終順位は2度目の赤旗時のものに戻されている。
この結果、ユナイテッドの23号車(ポール・ディ・レスタ/オリバー・ジャービス/ジョシュ・ピアソン)がクラス優勝を飾った。
LMP2のプロ/アマカテゴリーは、AFコルセ83号車(フランソワ・ペロード/ニクラス・ニールセン/アレッシオ・ロベラ)が制している。今季、LMGTEアマクラスからステップアップした彼らは、予選で総合3番手にも食い込む活躍を見せていた。

■LMGTEプロはポルシェとコルベットの一騎打ちに
ポルシェ911 RSR-19、シボレー・コルベットC8.R、フェラーリ488 GTE Evoが争うLMGTEプロクラスでは、序盤からポルシェGTチームの92号車と91号車、コルベット・レーシングの64号車が3台で1パックを形成。激戦を予感させる。
しかしスタートから1時間後、ちょうど1回目のピット作業が行われているタイミングで、ポルシェの2台にペナルティの判定が下る。
PPスタートの92号車はLMP2との隊列間隔の不保持により、2番手スタートの91号車はスタート直前に正しい位置を維持しなかったことにより、それぞれ次のピットインにおける15秒のストップ&ホールドが命じられた。
これにより2度目のピットを終えると首位コルベットは楽な展開となるが、3時間半経過時の赤旗によりギャップがゼロに。
レースが再開されると、リスタートした周の最終コーナーで92号車のケビン・エストーレがコルベット64号車のトミー・ミルナーのインに飛び込み、トップを奪い返した。
残り2時間を前にしたピット作業で91号車は左リヤタイヤが外れず、タイムロス。コルベットが2番手となり、この順位のままフィニッシュ。クラス優勝は92号車ポルシェのエストーレ/ミカエル・クリステンセンが手にした。
AFコルセの2台のフェラーリは、ポルシェとコルベットに対してラップペースが劣っており、表彰台争いには絡めなかった。

■Dステーション藤井が序盤に得意のジャンプアップ
LMGTEアマクラスでは、序盤から首位に浮上したノースウエストAMR98号車アストンマーティン・バンテージAMRが主導権を握る。
2番手にはTFスポーツ33号車アストンマーティンが浮上し、さらにスタートから順位を上げてきたDステーション・レーシング777号車の藤井誠暢が3番手となり、一時アストンマーティン勢がトップ3を形成する。
藤井は1時間経過を前に2番手まで順位を上げ、星野敏へと交代している。
ノースウエスト98号車は中盤に入っても首位を堅持する一方、2番手には一時デンプシー・プロトン・レーシング77号車ポルシェ911 RSR-19のセバスチャン・プリオールが浮上してくる場面も。
残り1時間半の時点ではチーム・プロジェクト1の56号車ポルシェが2番手に上がってきていたが、ここにTFスポーツ33号車のマルコ・ソーレンセンが追いつき、ターン15への進入で2番手を奪う。この直後、2度目の赤旗導入となった。
優勝はノースウエストAMRの98号車アストンマーティン(ポール・ダラ・ラナ/デビッド・ピタード/ニッキー・ティーム)。2位に33号車アストンマーティン、3位は56号車ポルシェとなった。
Dステーションの777号車はクラス6位で2022年の緒戦を終えている。

