レースの残り時間が1時間15分となった段階で約23秒のマージンを持っていた02号車だったが、バンバーがアウトラップで13号車デュケインD08・ニッサン(AWA)と接触し、相手をスピンさせてしまったことでドライブスルーペナルティを受け、首位のポジションを失ってしまう。
トップに立った5号車と2番手02号車のギャップは約5秒。バンバーは自身のミスを取り返すべく1周ずつ差を詰め、レース残り1時間の時点でテール・トゥ・ノーズに持ち込むと、わずか2分後にライバルを攻略。再度首位に立った。
しかし一難去ってまた一難、02号車キャデラックは直後に21号車フェラーリ488 GT3 Evoと軽い接触がありスピンを喫す。これでふたたび3秒のビハインドを負うことになったバンバーだが、ル・マンウイナーのスピードはベテランのリチャード・ウエストブルックを凌いだ。彼はアクシデントの約10分後、フィニッシュまで残り45分のタイミングで5号車を交わすと、最後のピットストップを経て今度こそ首位を守り抜き12時間レースのトップチェッカーを受けた。
トリスタン・ボーティエが最終スティントを担当した5号車キャデラックは6.471秒差で総合2位に。3位には31号車が入り、キャデラック勢がセブリングの表彰台を独占する結果となった。アキュラ勢最上位は4位の10号車。可夢偉組48号車キャデラックはトップから5周遅れの総合6位でフィニッシュしている。
■ほぼ全時間帯で接近戦が繰り広げられたGTDプロ
LMP2クラスは、ポールポジションからスタートし、レース中盤以降クラス首位を守ったPR1/マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07・ギブソン(ベン・キーティング/ミケル・イェンセン/スコット・ハファカー組)が後続の1周差つけて優勝した。
LMP3クラスはショーン・クリーチ・モータースポーツの33号車リジェJS P320・ニッサン(ジョアオ・バルボサ/ランス・ウィルシー/メルテ・ヤコブセン組)がクラス優勝を飾り、GTDクラスではターン1でタイヤバリアにヒットしたシーンも見られた、チェティラー・レーシングの47号車フェラーリ488 GT3 Evo(ロベルト・ラコルテ/ジョルジョ・セルナジョット/アントニオ・フォコ組)が予選4番手からの逆転勝利を収めている。
創設から2戦目を迎えたGTDプロクラスは、ポールシッターの62号車フェラーリ488 GT3 Evo(リシ・コンペティツィオーネ)がパワーステアリングのトラブルで序盤に姿を消すなか、コルベットを中心にして複数台によるトップ争いが繰り広げられた。
レース中盤には24号車BMW M4 GT3(BMW MチームRLL)や14号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン・レーシング)などがクラス首位に立ったが、スタートから7時間目以降はGT3仕様にデチューンされた3号車シボレー・コルベットC8.R GTD(アントニオ・ガルシア/ジョーダン・テイラー/ニッキー・キャツバーグ組)が優位に立ち、最後は63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(TR3レーシング)を従えてトップチェッカーをくぐってみせた。2台のギャップは4.438秒だった。
GTDプロ最後の表彰台のひとつは、レース最終盤に3番手を争っていた14号車レクサスがストップしたことで、クラス4番手から順位を上げた97号車メルセデスAMG GT3(ウェザーテック・レーシング)が獲得している。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第3戦ロングビーチは、4月8~10に開催される。IMECの次戦はシリーズ第6戦、6月3~4日に開催されるワトキンス・グレン6時間だ。



