レースにおいてコルベットがタイヤをダブルスティントするという決定は、ポルシェのファクトリー・モータースポーツ・ディレクターを務めるアレクサンダー・ステューリッヒを驚かせた。
「正直なところ、彼らが最初に完全なダブルスティントを実行したことに驚いた」とステューリッヒ。
「それは勇敢な戦略だ。プロローグとトレーニング(プラクティス)セッションでは、全員がロングランをしていなかった。フルコースイエローと赤旗があったからだ」
「もし我々がダブルスティントをやったとしても、そこで何が起こるのかは分からなかった」
「彼らが最初のピットでタイヤを変えずにダブルスティントをするのを見て、彼らはこれから起こるべきことが分かっているのだな、と思った」
「しかしながら、結局のところは古典的な耐久レースであり、それぞれのコンディションというものがあったと思う。あるメーカーがライバルに対してわずかに有利だったということだ。我々の間では、面白いレースができた」
「結局のところ、彼らはタイヤをセーブしていた。しかし赤旗とFCYによってダメージを受けた。それがリスクだ。そこにはふたつの戦略がある。タイヤを使ってアドバンテージを得るか、なんとかタイヤを長くもたせようとするかだ」
「タイヤをセーブしてセーブしてセーブして……最後にアタックができるのか? どちらの戦略にとっても、イエローや赤旗の影響を大きく受ける可能性がある」

ステューリッヒはまた、ロペスの事故によって引き起こされた赤旗が、ポルシェを救ったと述べている。
ポルシェの2台はスタート手順の違反によって、いずれもレース前半に15秒ストップのペナルティを受けていたからだ。
「どちらのドライバーも、レースディレクターの指示に従わなかったため、それぞれに15秒のペナルティを受けた。赤旗は、我々には不利にはならなかったと言える」
なお、ポルシェとコルベットに対して大きく遅れたフェラーリ陣営は、レース終了以降、セブリングのLMGTEプロクラスのペースについてコメントしていない。
フェラーリ488 GTE Evoは、すべてのチームが今季から使用するトタルエナジーズの100%再生可能燃料に関連する問題に見舞われた可能性があるものと見られている。
