シングルシーターのドライバー向けに選択肢を創出するというプレマの“本気度”は、イタリア・グリジニャーノにある本社の専用の建物にLMP2プログラムを配置することで実証されている。
チームはシングルシーターのワークショップに隣接する建物を購入し、そのふたつをリンクさせ、ふたつのプログラムを区別したうえでマネジメント担当者が両方を監督できるようにしている。
「この作業は、この冬の仕事の大部分を占めた」とロジンは説明する。
「LMP2プログラム用に、新たな建物に投資した。現在、ふたつの接続された建物がある状態だ。ひとつはLMP2専用で、もともとの建物はシングルシーター用だ」
「ちょうど向かいで(建物が)売りに出されていたので、簡単ではあった。我々はいくつかの仕事を終わらせる必要があり、新たな作業を始める許可を得るために市などの行政手続きは必要だったが、それは非常に簡単なものだった」
シングルシーターでの長年の経験があるにもかかわらず、スポーツカーレースにデビューするプレマにとっては、「すべてが新しい」とロジンは認めている。
アイアン・リンクスは主にマネジメント側のサポートをしており、レースチームはLMP2の経験を持つ新加入のスタッフと、シングルシータープログラムのスタッフによるミックスで構成されている。
プレマは現在3台のオレカシャシーを所有しており、WECとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに1台ずつが投入され、3台目はスペアとして扱われている。
「我々は新しいLMP2チームであり、まず第一に、以前は一緒に働いていなかった人々を組み合わせ、まとめあげる必要があった」とロジン。
「ほんの数人が、我々のシングルシーターの経験を持つ。(契約したい)多くの人はすでに他のチームで働いていたから、非常に難しいプログラムだった」
「したがって我々はシングルシーターのスタッフの何人かをWECプログラムのいくつかのポジションへと移し、そこに(他チームで)WECの経験を持つスタッフを何名か加えることにした」
「もちろん、これは始まったばかりのプロセスだ。長期的な視点でね。我々は勝つため、そして最高の仕事をするためにここにいるわけだが、いまはまだシーズンの早い段階であり、チームは新しい。したがって、私は現実的な目標を設定しなければならない」
「だが、我々は良いスタッフのグループをまとめようとトライした。スタッフはお互いを前から知っていなくても、すでに非常にうまいこと働いている。これはプロセスの一部だし、あとは時間とレースイベント(での経験)が必要なだけだ」
ロジンによればプレマのシーズン前のテスト日数は「片手で数えられる」ほどのものだったというが、チームはセブリングで力強いスタートを切り、ユナイテッド・オートスポーツ、WRT、JOTAといったLMP2で多くの経験を持つ確立されたチームと渡り合える競争力を備えているように見えた。
「4月にヨーロッパでシーズンを開始するような場合、それはもっと簡単だったかもしれない」とロジンは言う。
「だが我々は(アメリカの)セブリングですべてを始めるため、1月にはすべての機材を送り出す必要があった。これは準備に大きな影響を及ぼした」
「だが、すべてが非常にスムーズに進められている。最初の数日間は大変な夜を過ごしたが、それは仕事の一部であり、すべてが予期したとおりに進んでいると思っている」
