そのロッシは2度目のSC出動時に、32号車アウディや88号車メルセデスなどの上位陣とともにピットへ飛び込んだ。しかし、先行するマシンの影で視界が遮られたかチームWRTのピットボックスを通り過ぎてしまい、もう1周コースを回ってくることに。
翌周、今度は所定の位置に止まったロッシは、チームメイトのフレデリック・バービシュにマシンを託しGTWCデビュー戦での仕事を終えた。チームは“MotoGPレジェンド”の働きについて、ペースも良くとても良い仕事をしたと評価。ピットストップの問題はミスコミュニケーションによるもので彼のせいではなく、ほぼ全車が同時にピットレーンに入ったときに起こり得ること、としている。
上位陣の争いでは32号車アウディが首位の座を守って2時間過ぎのリスタートを迎え、2番手に88号車メルセデス、2号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・ゲットスピード)が3番手につける展開に。一方、第2スティントで2番手につけていた95号車アストンマーティンは、ピットインが1周遅れたことが災いし18番手まで順位を落としてしまった。
最終スティントも短いFCYとSCランがあり各車のギャップがリセットされるも、首位を走る32号車アウディは一貫したペースを崩さず徐々に後続を引き離していく。そして最終的には6.2秒の差を築いてトップチェッカー。今季開幕戦をポール・トゥ・ウインで制してみせた。2位は88号車メルセデス、3位表彰台はトレゾア・バイ・カーコレクションの12号車アウディR8 LMS Evo IIとのバトルを制した2号車メルセデスが獲得している。
シルバーカップはチームWRTの30号車アウディR8 LMS Evoがクラス優勝を飾り、新設されたゴールドカップではハーバー・モータースポーツの911号車ポルシェ911 GT3 Rが初代ウイナーとなった。プロ・アマの勝者はSPSオートモーティブ・パフォーマンスの20号車メルセデスAMG GT3だ。
日本勢は、チームWRTからゴールドカップにエントリーしている富田竜一郎が33号車アウディR8 LMS Evo IIをドライブする予定だったが、マシントラブルの影響でグリッドに着けず。スタート前にリタイアとなった。
VSRの563号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoで、シルバーカップに挑戦する根本悠生はレース終盤の第3スティントを任された。燃料タンク容量の関係で早めのピットインができず、前のスティントから6つ順位が落ちた展開のなかマシンに乗り込んだ根本は、SC明けに4台を交わしてクラス11番手から7番手まで順位を挽回する。その後、6番手31号車アウディR8 LMS Evo IIとのバトルの中でコース外に押し出されひとつ順位を落としたものの、ふたたび抜き返しクラス7位でフィニッシュした。なおレース後、31号車にペナルティが出たため最終順位はクラス6位/総合24位となっている。
ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの次戦第2戦は、4月30日から5月1日にかけてイギリス、ブランズハッチで開催される。同ラウンドは60分のタイムレースを週末に2回行うスプリントカップの第1戦だ。
■GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第1戦イモラ 決勝レースハイライト


