ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.05.08 02:52
更新日: 2022.05.08 04:50

大荒れスパ・ウェザー。LMP2が一時首位に立つも、トヨタ7号車が逆転で今季初優勝/WEC第2戦決勝レポート


ル・マン/WEC | 大荒れスパ・ウェザー。LMP2が一時首位に立つも、トヨタ7号車が逆転で今季初優勝/WEC第2戦決勝レポート

 LMGTEプロクラスでは、2番手スタートのポルシェGTチーム92号車ケビン・エストーレが1コーナー進入でブレーキングスモークを上げ、PPスタートだった僚友91号車ジャンマリア・ブルーニのインへ。両車がアウトにはらみ、1コーナー立ち上がりでは縁石上でバランスを崩した92号車が91号車と側面同士で接触。91号車は左リヤのタイヤ&ホイールにダメージを負い、スロー走行でピットへ向かい、早くもラップダウンとなってしまう。

スタートでチームメイトのインに飛び込み、同士討ちを演じてしまったポルシェ92号車
スタートでチームメイトのインに飛び込み、同士討ちを演じてしまったポルシェ92号車

 オープニングラップのうちにSCが導入された時点で、92号車ポルシェ、AFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evo、コルベット・レーシングの64号車シボレー・コルベットC8.R、52号車フェラーリという並びとなるが、リスタート後にはコルベットのニック・タンディが51号車フェラーリのアレッサンドロ・ピーエル・グイディをパスして2番手に浮上する。

 1度目の赤旗からのリスタートにおけるSC先導走行時には、各陣営がウエットタイヤへの交換を行った結果、ピット回数が1回少ない52号車フェラーリが首位に立ち、92号車ポルシェ、51号車フェラーリと続くオーダーとなっていた。

AFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evo
AFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evo

 レース中盤はこの順位のまま推移。残り1時間半を切って導入されたFCYの際、3番手の51号車フェラーリがピットイン。いち早くスリックへと履き替え、92号車の前、2番手に立つ。

 残り1時間、FCYタイミングでステイアウトした51号車フェラーリが首位へと浮上する。解除後は、52号車と92号車が激しい2番手争いを展開した。残り26分、何度目かのチャレンジの末、92号車ミカエル・クリステンセンはアントニオ・フォコをパスし、2番手にポジションを上げると、1秒前をゆく51号車フェラーリに迫っていく。

 しかし51号車ジェームス・カラドのテールにぴたりとついた残り21分、LMGTEアマクラスのクラッシュ車両発生のためFCYが導入され、勝負に“待った”がかけられる。

 レースは残り10分で再開。2台はコンマ差のバトルを最終ラップまで続け、最終コーナーでは3番手の52号車も背後に迫るなか、51号車フェラーリが守り切ってクラス優勝を決めた。

 13台が出走したLMGTEアマクラスでは、オープニングラップでアイアン・デイムスの85号車フェラーリ488 GTE Evoがターン1のグラベルにコースオフ。セーフティカーが導入されると、ノースウエストAMRの98号車アストンマーティン・バンテージAMRが首位に立つ。

 しかしレース再開後、プーオン進入でPPスタートだったTFスポーツ33号車アストンマーティンのベン・キーティングがトップを奪い返す。

 その後方ではDステーション・レーシング777号車アストンマーティンでクラス7番手からスタートドライバーを務めた藤井誠暢が得意のチャージを見せ、開始35分のところでは2番手にまで浮上。さらに星野敏へと交代すると、赤旗からのセーフティカーリスタートのタイミングでは一時クラス首位へと浮上する。

 その後、2度目の赤旗からのリスタート時には、AFコルセの21号車フェラーリがクラス首位に立っていた。雨が降り続くなか、最終コーナーではDステーション・レーシングの星野がアイアン・デイムスの85号車フェラーリと交錯し、スピンを喫する場面も。

 中断が繰り返された中盤からは、チーム・プロジェクト1の46号車ポルシェ911 RSR-19がクラス首位に立ち、2番手にはAFコルセの54号車フェラーリがつける。

 その後もトップ争いはめまぐるしく順位が入れ替わり、残り44分のリスタート後にはデンプシー・プロトン・レーシング77号車ポルシェが首位に立つが、上位陣は僅差の戦いに。ラスト20分では77号車ポルシェにTFスポーツの33号車アストンマーティン、ノースウエストAMRの98号車アストンマーティンの順で、トップ3台が1パックを形成する、緊迫の展開となった。

 しかしデンプシー・プロトンの77号車が最後まで逃げ切り、クリスチャン・リード/セバスチャン・プリオール/ハリー・ティンクネルがクラス優勝を遂げた。Dステーション・レーシング777号車アストンマーティンは、クラス7位でレースを終えている。

 WECの次戦第3戦は、いよいよシリーズの象徴、ル・マン24時間レースとなる。

LMGTEアマクラス優勝のデンプシー・プロトン・レーシング77号車ポルシェ911 RSR-19
LMGTEアマクラス優勝のデンプシー・プロトン・レーシング77号車ポルシェ911 RSR-19
レース序盤のLMGTEアマクラスをリードした、TFスポーツの33号車アストンマーティン・バンテージAMR
レース序盤のLMGTEアマクラスをリードした、TFスポーツの33号車アストンマーティン・バンテージAMR
Dステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMR
Dステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMR


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