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 LMP2ウイナーのロビン・フラインスによれば、チームWRTの31号車オレカ07・ギブソンはレース後半、ワイパーが完全に機能しないまま戦わなければならなかったという。

「もし大雨の前にワイパーが壊れていたら大変なことになっていただろうから、これはラッキーだった」

「ワイパーはレース前半までしか機能しておらず、視界はわずかだった。最終的には良い結果で終えられて良かったけどね」

一時総合トップを走り、最終的に総合3位/LMP2クラス優勝となったWRT31号車
一時総合トップを走り、最終的に総合3位/LMP2クラス優勝となったWRT31号車

 同じく31号車をドライブしてチェッカーまでを担当したレネ・ラストは、完全に乾いていない路面をスリックタイヤで走らなければならず、苦戦を強いられた。インターミディエイトタイヤが存在するハイパーカークラスとは異なり、LMP2クラスのタイヤサプライヤーであるグッドイヤーは「必要がない」とし、インターミディエイトを供給していない。

 ラストは次のように語っている。

「コースの半分はドライで、残りの半分はウエットだった。このようはコンディションではとてもトリッキーであり、簡単にコントロールを失う」

「このクルマではステアリング(の切れ角)は限られていて、ラリーカーのようにドリフトができるわけではない。一度コントロールを失ったら、ほとんど終わりのようなものだ。とても慎重にならなければいけないし、インターがない状況は簡単ではなかった」

■シボレー・コルベットの不運
 トヨタ7号車と同じく、LMGTEプロクラスではAFコルセ51号車のアレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラドが、このふたりにとっての10勝目をマークした。そのうちのいくつかは、第3ドライバーとともに獲得したものだ。

 また、GTEプロクラスではフェラーリ51号車、またはポルシェ92号車による優勝が、これで8戦連続となった。

 GTE世界選手権のランキングでは、セブリングで優勝し、スパで2位に入ったポルシェのケビン・エストーレ/ミカエル・クリステンセンが、AFコルセ51号車のふたりを14ポイント、リードしている。

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 序盤に好ペースを見せたコルベット・レーシングの64号車シボレー・コルベットC8.Rだったが、その後クラス優勝争いから脱落してしまった。ニック・タンディが最初のピットストップを行った際に赤旗が提示され、エマージェンシー・サービスとして限られた作業しかできなかったことで、最初に3ラップを失っていた。その後、走行再開時にはピットレーンで全車の隊列が戻ってくるのを待つ必要があった。

 コルベットはウェーブ・バイにより周回おくれを取り戻したが、トミー・ミルナーはウエットコンディションでのタイヤ温度上昇とグリップ低下に悩まされた。

「プラクティスと予選で目にしたように、マシンのペースはかなり良かった」とミルナー。

「最初のスティントで燃料補給を伸ばしていたのが仇になり……現実は不運なものだった。あの状況から立ち直れるとは思わなかったよ」

1周おくれのクラス4位でフィニッシュしたコルベット・レーシングの64号車シボレー・コルベットC8.R
1周おくれのクラス4位でフィニッシュしたコルベット・レーシングの64号車シボレー・コルベットC8.R

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 LMGTEアマクラスのデンプシー・プロトン・レーシングは、2019年のスパで表彰台の頂点に立って以来の、クラス優勝を果たした。

 77号車ポルシェ911 RSR-19をドライブし優勝したハリー・ティンクネルは、これでWECの3つのクラスを制したことになる。ティンクネルは過去にLMP2クラスをJOTA、LMGTEプロクラスをフォードとアストンマーティン・レーシングで制した経験を持っている。

WECでの3クラス目の優勝となったハリー・ティンクネル(左)
WECでの3クラス目の優勝となったハリー・ティンクネル(左)

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 スパでの第2戦を終え、年間最高得点が与えられる次戦ル・マン24時間レースに注目は移ることとなる。次なるWECの公式サーキット走行は、6月5日にフランスのル・マン24時間サーキット(サルト・サーキット)で行われる、ル・マン・テストデーのセッションとなる。

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