63号車のマルコ・ボルトロッティはその後54号車を交わし、最初のピットストップを前に首位に浮上した。しかし、ピットアウト後はダブルスティントを選択した88号車のラファエル・マルチェッロが先行。63号車ランボルギーニ、54号車ポルシェ、71号車フェラーリが続く展開となる。
そんななか54号車は目の前でスピンしたマシンと接触したことでフロントにダメージを負い、レースからリタイアすることに。これにより71号車が3番手に浮上した。
エミル・フレイの14号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボのクラッシュによるセーフティカーランの後に接近したトップ3台だが、その後は膠着状態となる。これを打開したのはアイアン・リンクスだった。71号車フェラーリはリゴンの強力なラップタイムによって、アコーディスASPとエミル・フレイをオーバーカットで逆転する。
ここからは71号車がレースをコントロールし最後まで順位を守って見事、ポール・トゥ・ウインを達成した。
対するライバルたちは前述のペナルティやアクシデントで順位を下げてしまう。その後2番手に戻ってきた88号車メルセデスだったが、終盤のリスタート直後にモリーナ駆る51号車フェラーリに交わされ3番手に後退。表彰台を確保したものの0.839秒差で2位に届かずフェラーリ勢にワン・ツー・フィニッシュを許すこととなった。
トップ3からやや間を開けてローヴェ・レーシングの50号車BMW M4 GT3が4位入賞。5位にはバレンティーノ・ロッシを擁するチームWRTの46号車アウディR8 LMSエボIIが入り、その後ろ6位に63号車ランボルギーニがつけた。
シルバーカップは、総合7位となったアル・マナー・レーシング・バイ・HRTの777号車メルセデスAMG GT3(アクシル・ジェフリーズ/アル・ファイサル・アル・ズバイル/ファビアン・シラー組)がクラスウイナーに。根本悠生を擁し同クラスにエントリーしているVSRの563号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボは、車両トラブルの影響でスタート前にリタイアとなった。
ゴールドカップに参戦している富田竜一郎組のチームWRT33号車アウディR8 LMSエボIIは、総合18位でフィニッシュしクラス3位となった。同クラスのウイナーは、総合9位に入ったインセプション・レーシングの7号車マクラーレン720S GT3(オリー・ミルロイ/ブレンダン・イリーブ/フレデリック・シャンドルフ組)だ。
GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの次戦第5戦ザントフールトは6月17~18日に開催。F1オランダGPのグランプリコースが舞台となる1戦は、スプリントカップの今季第3ラウンドとなる。



