──さまざまな噂があったランボルギーニですが、ようやく公式に2024年からのLMDhプログラムを発表しました。あなたのこのプロジェクトでの役割は?
MB:ファクトリードライバーとして、いまはGTでの活動に集中し、ひとつでも多くのポディウムを獲得することを念頭に置いている。ランボルギーニのワークスドライバーとして新LMDhのプログラムにどう関わるのかは、現時点では分からない。複数名いるファクトリードライバーの誰がどのカテゴリーやプロジェクトに配属されるかは、ランボルギーニが決めることであり、僕の立場では決定権はない。
しかし、ランボルギーニがLMDhプログラムを決断し、今後新たな挑戦をすることはとても嬉しく、その発表は僕にとってとてもエモーショナルな瞬間で感慨深かった。
LMDhプロジェクトを開始するにあたり、もちろん僕らファクトリードライバーにはその趣旨は事前に伝えられてはいるが、まずはGTでしっかりとランボルギーニの強さとパフォーマンスを示す必要があるので、ファクトリードライバーとしてその課題をまずはこなさないといけない。
──ランボルギーニがここル・マンで活躍したのは、2010年の日本のJLOCが最後で、それ以降は出場していません。もし2024年にあなたがここへLMDhで出場するのならば、14年ぶりにル・マンへランボルギーニが参戦することになります。
MB:そんなにランボルギーニはル・マンに出ていなかったのか……。もし2024年に僕がLMDhをここでドライブできるのなら、どんなに嬉しいことか。そうなれるようにまずはDTMやGTWCでしっかり結果を出して、ランボルギーニから新プロジェクトを任せてもらえるようにしなければならない。来年にはランボルギーニから詳細が発表されるので、どのような方向へ行くのか、いまからワクワクしている。
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ボルトロッティ本人は、あくまでWRTとの友好関係によってこのル・マン参戦が叶ったと繰り返すが、ランボルギーニのLMDhプロジェクトを見越してのLMP2参戦は明らかだと考えられる。
また、WRT関係者は今回のル・マン24時間にはランボルギーニの首脳陣が訪れるのではないかと予想をしており、現在はアウディのLMDh開発が一時ストップしているだけに、WRTにとってもランボルギーニは将来的な方向性を決めるひとつの選択肢のひとつになり得るかもしれない。
