94号車は序盤、デュバルのドライブにより他のハイパーカー勢と遜色ない走りを見せたが、ドライブトレーンにオーバーヒートが発生した。プジョーは、車両内部に詰まったデブリがその原因であると考えている。
これにより94号車は2回、計40分近くをピットでの作業に費やすこととなり、さらにメネゼスはレズモ間のコース上(ターン6〜7)に車両を停めることになった。
このモンツァ戦は、(これまでのテスト含め)プジョー9X8が他の車両とコースを共有する初めての場であり、多くのデブリに遭遇するのも初めての経験であった。
「94号車は、全体的にかなり良いレースをしていた」とジャンソニーは述べた。
「ただ、マシンの温度の問題が発生し、何度かピットストップしなければならなかった」
「ここでは明確に、トラフィックの中でのレースというものについて学んでいる。デブリがそこらじゅうを舞っていたわけだが、これは我々にとって新たな経験だった。これは、我々がここで学ぶことのひとつだ」
モンツァではハイパーカークラスのライバルより遅かったものの、プジョーはラップタイム・パフォーマンスには満足しており、次は9月に行われる第5戦富士6時間レースに向け、信頼性の向上に注力することになる。
デュバルのマークしたベストタイムは1分38秒364で、グリッケンハウス007 LMHからは1.7秒、トヨタGR010ハイブリッドの最速タイムからは0.5秒以上の差をつけられている。
「パフォーマンスは示すことができたと思う」とジャンソニー。
「マシンがトラブルなく走れば、競争できると思っている。どんな競争が行われているか分かっていなかったが、上位での争いがあったようだ」
「彼らは、きちんと競争したのだと思う。我々の最後のスティントを見ると、ラップタイムはかなり競争力のあるものだった。そえは、我々にとって良い答えだ」
「このホモロゲーション規則では、最初に競争力を持たないマシンで参入してしまうと、上位に顔を出すのは非常に困難だ」
「ここで抱えた問題を解決できることを願っている。おそらく、我々はいくつかの新しい問題も見つけることになるだろう。これがシーズン末まで続く、我々の“ゲーム”だ」
