モンツァ戦の後にテストを予定しているプジョー同様、トヨタGAZOO Racingも車両をファクトリーに戻して作業を行い、その後富士6時間レースに臨む予定としている。
トヨタのテクニカル・ディレクターを務めるパスカル・バセロンは「クルマは空輸する」と述べている。「残りの機材は、船便に載せる」。

モンツァでハイパーカークラスの前半戦をリードしたグリッケンハウス・レーシングの708号車グリッケンハウス007 LMH。トヨタ8号車のセバスチャン・ブエミは、グリッケンハウスの速さについて「別の惑星にいるようだった」と表現している。
ロマン・デュマは4周目に1分36秒589というベストタイムをマーク。これは他のハイパーカー勢より1秒以上速く、当然ながら全体のファステストラップとなっていた。
その708号車がレース後半に入ったところで見舞われたトラブルは、ターボチャージャーの不具合だった。これについては、事前に何のアラームも点かなかった、とオーナーのジム・グリッケンハウスは語っている。
「何の問題もなかったんだ」とグリッケンハウス。
「オイル漏れも、インタークーラーの問題も、圧力の問題もなく、ただ突然にターボの壊滅的な故障に至ったのだ」

このトラブルに先立って、グリッケンハウスはFCY手順違反によりドライブスルーペナルティを受けている。
これはピポ・デラーニがFCYボタンを押すのが遅れた結果だとグリッケンハウスは述べているが、ターボのトラブルが発生しなければ、充分に挽回できたとみている。
「おそらく、我々は勝てていただろうと思う」とグリッケンハウスはコメントしている。
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2022年のWECはこれで4レースを終了。9月には3年ぶりの日本開催となる第5戦富士6時間レースが、静岡県の富士スピードウェイで予定されている。その後、11月のバーレーン8時間レースで、2022年シーズンは締め括られることとなっている。