かくしてペナルティという裁定は下されたものの、エストーレもピエール・グイディも、劇的かつ、時にアグレッシブだったこのポジション争い自体に対しては、動揺することはなかったという。
「とてもキツいバトルだった。ふたりとも100%クリーンではなかったとは思うけど、良いショーだったと思うし、ふたりとも無事にレースを終えることができた」とエストーレは言う。
「これこそファンが見たいものだと思うし、僕はフェアなレースだったと考えている。だから、僕のペナルティは必要のないものだったと思うんだ」
「結局、彼は僕をパスした。僕らは何度か接触したが、彼はシケインをショートカットしたときに僕を追い越したんだ。彼はそれによってアドバンテージを得たから、彼がひどい目に遭ったとは僕は言えない」
「彼が僕を抜くのには、おそらく彼が予想していた以上に時間がかかったと思う。だけど、彼を抑え込むのが僕の仕事だからね」

一方のピエール・グイディは、エストーレが「少し余計にプッシュしてきた」と感じたというが、このバトルについては不快に思わなかったという。
「ありとあらゆる場所で、僕はプッシュされていた」とピエール・グイディ。
「それが一種の復讐だったのかは分からないが……(編註:両車は2021年最終戦でも、タイトル争いをするなかで接触)。僕としては、このようなこと(92号車へのペナルティ)は予期していないものだった」
「だが結局、これは激しいレースなんだ。少しプッシュされすぎだなとは思ったが、これがモータースポーツというものだ」