2023年にデビューする新型ポルシェ911 GT3 Rの特長には、より正確なステアリングとタイヤの摩耗を低減するために設計された、改良型サスペンション・コンポーネントも含まれている。フロントアクスルはダブルウィッシュボーンレイアウトで、リヤアクスルは2019年型のクルマと同様にマルチリンクデザインとなっている。
ホイールベースは、リヤタイヤをより後方に移動させたことにより従来の2459mmから2507mmへとわずかに延長された。
ニューモデルの空力プロファイルは“レースアンダーフロア”のコンセプトの下、ポルシェ911 RSRと同様の高めのアンダーボディを採用し、リヤディフューザーに向けてきれいな空気の流れを作ることを可能としている点が挙げられる。また、ポルシェは同社のGT3カーで初めてリヤウイングに“スワンネック”マウントを導入した。
同様のステーレイアウトは、アウディR8 LMSエボIIや、29日に初公開されたフェラーリ296 GT3にも見ることができる。
コクピット内では、ロールケージ内の人間工学を向上させるためにドライバーポジションを中央に寄せ、FIA国際自動車連盟が新たに開発した側面衝突保護装置を搭載している。
また、ステアリングホイールの周辺には、911 GT3カップの10.3インチディスプレイや、GTE仕様の911 RSR-19に採用されたクラスター型マルチスイッチコンセプトなど、他のポルシェのレーシングカーに由来する要素が盛り込まれた。
ポルシェのカスタマーチームは、2024年からGT3ベースのマシンを受け入れるWEC世界耐久選手権やル・マン24時間レースをはじめ、グローバルフォーミュラを採用する幅広いシリーズでこの新型GT3マシンを走らせることが可能となる。
ポルシェは、この2023年モデルの価格を51万1000ユーロ(約6960万円)プラス消費税と発表。新型ポルシェ911 GT3 Rは今年後半にはノンホモロゲート仕様でレースデビューを果たす予定となっている。




