ピレリタイヤのパンクはローヴェの姉妹車50号車BMW M4 GT3(BMWジュニアチーム・ウィズ・ローヴェ)を駆る、ダン・ハーパー、ニール・バーハーゲン、マックス・ヘッセのトリオの終盤の展開にも影響を与えた。
ハーパーによると、10時間目の赤旗中断で98号車に次ぐ総合2番手に浮上した彼らのマシンは、最後のスティントで右リヤが下がっていたという。
「僕たちは表彰台を手に入れる、もしくは優勝を争うところまでいった」と最終的に5位でレースを終えた50号車のハーパー。
「シスターカーもそうだ。でも、これがモータースポーツというものだ。僕たちのクルマは2台とも終盤にパンクに見舞われてしまった」
「予定よりも3周も早くピットインすることになり、時間も少し失ってしまった。10秒か15秒は損をしたね」
「全体的にはとても満足している。このレースはジュニアチームとして初めての経験だった。とてもクールな経験だったし、ローヴェの皆は素晴らしい仕事をした。勝てるクルマはあったけど、少し運が悪かっただけなんだ」
■ドライバビリティが向上したBMWの新型GT3
イェロリーは、BMW Mモータースポーツとローヴェ本体の2台が、M4 GT3のスパ・デビューから終盤まで混戦状態にあったことを考えると、ポジティブな材料が得られると感じているようだ。
先代GT3カーのBMW M6 GT3は、2016年にローヴェ、2018年にワーケンホルスト・モータースポーツの手によってスパで2度優勝しているが、直近の2年間は後者から参戦したメーカーサポートのクルマがともにリタイアという結果に終わっている。
「M6と比較して、スティントにおけるドライバビリティは大幅に向上している」とイェロリーは語った。
「M6 GT3を運転したことのない人は、あのクルマがどれだけ大変だったかを理解できないと思うが、新型のM4 GT3はそれよりもずっと扱いやすい」
「M6では、スティントの中盤から終盤にかけてポルシェをオーバーテイクするのは前代未聞のことだった。(新しいクルマは)クルマの快適性や基本的な部分が素晴らしく良くなっている。総じてM6 GT3の高速域での性能はそのままに、中低速でのパフォーマンスが向上した印象だ」
「来年はすべての物事を整理して、より大きな勝利に挑戦できるようになるはずだ」
