──なるほど。では今年の富士で、澤さんが注目されている“この人は速い”というアマチュア・ドライバーは?
澤:僕が出ている頃から参戦しているドライバーだと、やはりポール・ダラ・ラナさん(ノースウエストAMR/アストンマーティン・バンテージAMR)。あとはトーマス・フロー(AFコルセ/フェラーリ488 GTE Evo)。フローはもう、最近の方がうまくなってきている感じがします。あと、いま飛び切りに速いのはベン・キーティング(TFスポーツ/アストンマーティン)さんですよね。星野(敏)さん(Dステーション・レーシング/アストンマーティン)も、とくに富士では地の利もあって侮れないと思います。
──一方、GTEアマクラスでもプロドライバー同士のバトルとなれば、上位クラスとまったく変わらない、見応えある戦いになるわけですよね?
澤:そうですね。今年でいえばニック・キャシディ(AFコルセ/フェラーリ)もいるし(※編注:富士戦は欠場)、おなじみのジャンカルロ・フィジケラ(アイアン・リンクス/フェラーリ)もいるし、ハリー・ティンクネル(デンプシー・プロトン・レーシング/ポルシェ911 RSR-19)もいる。セバスチャン・プリオール(デンプシー・プロトン)も速いですよね。もちろん藤井選手も世界的にも誰もがその速さを認めるドライバー。この人たち同士のバトルになったら、もうバチバチですよ。




──決勝ではやはり、ドライバーの乗り込む順番に注目、というわけですね。ちなみに現在LMGTEアマには3車種が参戦していますが、コース特性によって得意・不得意は感じますか?
澤:アストンはとにかく“踏んでいく”サーキットで速い印象。バーレーンとかですかね。ストップ・アンド・ゴーのコースになると、ポルシェが速いと思います。フェラーリは2台の中間で、飛び抜けたものはないけどオールマイティ、というイメージです。富士ではやっぱりポルシェが速いんじゃないかと思います。
──いよいよ3年ぶりの開催、楽しみになってきました。
澤:やっぱり日本の秋といえば、モータースポーツのビッグイベントじゃないですか。そのうちのひとつのWECが3年ぶりに富士に戻ってくるというのは、僕も本当に楽しみです。海外レースの雰囲気に飢えているファンの方も多いと思うので、ぜひとも現地で見てもらいたいなと思いますね。
──ありがとうございました!
●プロフィール:さわ・けいた
1976年生まれ、千葉県出身。15歳でレーシングカートを始め、1998年に4輪レースに転向。F4、F3、JGTCなど国内レースを経て、2006年から海外レースにも挑戦を開始。2016年、クリアウォーター・レーシングのフェラーリで初参戦を果たしたル・マン24時間レースでは、クラス4位に。その後、2017年から2018/19シーズン途中までWECにシリーズ参戦した。2019年にABSSA MOTORSPORTを設立。2022年はGTワールドチャレンジ・アジアのジャパンカップにマクラーレン720S GT3で参戦している。サーキットレッスンイベント『One Day Smile(ワンスマ)』主宰。「もう一度、ル・マンに出たい」と語る。
