──WECの現場では、ACO(フランス西部自動車クラブ)やFIA、他のマニュファクチャラーとの会合に出席したりもするのですか?

一貴副会長:ACOとは、ありますね。他のマニュファクチャラーとの会合は……技術的な部分はパスカル(・バセロン/テクニカルディレクター)に任せています。ACOとは、あまり何とは言えない部分も多いのですが、いろいろと話はしています。

──BoP(性能調整)や技術面というよりは、シリーズとしての将来に関して、などですか?

一貴副会長:まぁ、ざっくり言うとそのような傾向の話ですね。

──ちなみに今回の富士では(リザーブドライバーの)ニック・デ・フリース選手は来日していませんが、不測の事態でレギュラードライバーが出場できなくなったときに、「代打・オレ」みたいなことはあるのでしょうか?

一貴副代表:オレが乗る、はないですね(笑)。準備もしていませんし、ヘルメットもここにはありません。実際、ひとり欠ける分にはレースができるレギュレーションだと思いますので。

──引退してから、ル・マン・クラシックには出場されましたが、それ以外でレーシングカーには乗られていないのですか?

一貴副代表:GT4にはちょっと乗りました。ニュル(ブルクリンク)のライセンスを取ったことがないので、それはちょっと取っておこうかなと、コソコソやっています(笑)。その最初のステップで乗ったクルマが、たまたまGT4だったというだけです。ニュルはこれまで、ちゃんと走ったことはなかったんです。

──では、来季はニュルのレースに出る方向で?

一貴副代表:いやぁ、あそこでレースをしたいかどうかというと……結構ハードルが高いなと思いますけど(笑)。(編註:その後、10月のNLS第7戦にGT86で出場)。

──ちなみにル・マン・クラシックに出られてみて、いかがでしたか。

一貴副代表:めちゃくちゃ楽しかったです(笑)。85C自体は、工場でちょっと転がして発進の練習をして、ル・マンの本番でトロフィーの返還をしただけ。ちゃんと走らせるのは初めてでした。ターボラグはすごかったですが、コーナリングとかブレーキングなどは思った以上にちゃんとしていて、普通にレーシングカーでした。最高速は270km/hとかじゃないですかね。エンジンも2リッターターボですから。

2022年のル・マンでは、スタート前のトロフィー返還セレモニーにトヨタトムス85Cとともに登場。また、同車両でル・マン・クラシックにも出場した
2022年のル・マンでは、スタート前のトロフィー返還セレモニーにトヨタトムス85Cとともに登場。また、同車両でル・マン・クラシックにも出場した

──お父様がル・マンでドライブされたクルマ、という部分に関して思うところはありましたか?

一貴副代表:皆さんが思うほどそこに何かがある、というわけではないのですが、やっぱりこういう機会をいただけて、父が乗っていて、自分と同い年でと、いろいろとご縁のあるクルマに乗せていただける、しかも関谷(正徳)さんと一緒にっていう部分では、本当に感謝しかないですね。舘(信秀)さんも来てくださって、本当に同窓会みたいで楽しかったです(笑)。

 とにかく出てるクルマだけで500台くらいあって、ピットだけではなくて裏のスペースも全部パドックになっていて、四六時中クルマが走っててガチンコでレースしているので、見ていて本当に飽きないんですよ。お客さんもものすごく多かったですし、僕は初めての経験でしたが、本当にすごいイベントだなと思いました。
後編へつづく)

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