前日に引き続きヤス・マリーナ・サーキットで行われた18日(日)の最終戦は、予選9番手からジャンプアップを果たした22号車オレカが序盤のレースリーダーに。その後インターユーロポル・レーシングの43号車オレカ07と、ニキータ・マゼピンを擁す99レーシングの98号車オレカ07が首位を争う展開となり、ドバイでの第2戦を制した43号車が先行した状態でレース終盤を迎える。
このままの順位なら43号車がLMP2クラスのシリーズタイトルを獲得するという状況だったが、チェッカーまで“残り10分”というところでポーランドのチームを悲劇が襲う。43号車はギアボックスのトラブルで先頭集団から遅れ、最後はガレージでレース終了を見届けることになったのだ。
インターユーロポルの脱落とほぼ時を同じくして、トップに浮上した前戦のウイナー37号車にはピットストップ時間の不足を理由とするストップ・アンド・ゴーペナルティが下る。これによりニコラ・ラピエールが率いるチームは3番手に後退したため、DKRエンジニアリングの3号車オレカ07が残り5周で首位に浮上することとなった。
サリ・ヨルック/チャーリー・イーストウッド/アイハンカン・グーベン組の3号車はそのままトップチェッカーを受け、第4戦アブダビの勝者になると同時に、2023年のAsLMSシリーズチャンピオンを獲得。今年6月に行われるル・マン24時間100周年大会への自動エントリー権を獲得した。
98号車オレカ07は、DKRチームにわずか1秒903届かず2位フィニッシュ。3位には2度のペナルティを受けた37号車オレカ07が入っている。
LMP3クラスは、グラフ・レーシングの8号車リジェJS P320・ニッサン(ファブリス・ロッセロ/シャビエル・ロベラス/フランソワ・エリオー組)が後続を引き離してトップチェッカー。この勝利でLMP3クラス・シリーズチャンピオン獲得を決めた。
GTクラスではHRTの7号車が2連勝を果たしたが、タイトルは開幕2連勝を飾り今戦でもクラス2位となったワーケンホルスト・モータースポーツ34号車BMW M4 GT3(チャンドラー・ハル/ニッキー・キャツバーグ/トーマス・メリル組)の手に渡っている。
日本勢は、木村武史率いるCar Guyの57号車フェラーリ488 GT3エボが第3戦でクラス10位、翌日の最終戦を同14位でフィニッシュした。D’Station Racingの星野敏/藤井誠暢/チャーリー・ファグ組77号車アストンマーティン・バンテージGT3は、第3戦をクラス6位、第4戦はアクシデントに巻き込まれリタイアとなっている。



■AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズ 2023年シリーズチャンピオン
Class | No. | Team | Car | Driver |
---|---|---|---|---|
LMP2 | 3 | DKRエンジニアリング | オレカ07・ギブソン | S.ヨルック C.イーストウッド A.グーベン |
LMP3 | 8 | グラフ・レーシング | リジェJS P320・ニッサン | F.ロッセロ X.ロベラス F.エリオー |
GT | 34 | ワーケンホルスト・モータースポーツ | BMW M4 GT3 | C.ハル N.キャツバーグ T.メリル |