既報のとおり、TGRは2023年も6名のドライバーラインアップを変更せずに新しいシーズンを迎える。ディフェンディングチャンピオンである8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮はもちろん、7号車のマイク・コンウェイ、可夢偉、ホセ-マリア・ロペスはいずれもル・マンウイナーでありWECチャンピオン経験者だ。
一方、昨シーズンまでテスト兼リザーブドライバーを務めていたニック・デ・フリースが、アルファタウリF1で活躍する角田裕毅のチームメイトとしてF1にフル参戦することになったことから、このポストには中嶋一貴が就くことになった。
3度のル・マンウイナーにして同数回のWECチャンピオンである一貴は、2021年のドライバー勇退後TGRヨーロッパの副会長を務めているが、今季は副会長職とテスト兼リザーブドライバーを兼任することになる。
そんなTGR WECチームを率いる可夢偉チーム代表は、新たなライバルの登場に気持ちが高まっていることを認め、2023年を記憶に残るシーズンにしたいと抱負を述べた。
「待ちに待ったシーズンを迎えます。これだけ多くのマニュファクチャラーがハイパーカークラスに参戦するというのはファンの皆さまにとっても素晴らしいことですし、チームとしても新たなライバルの登場に気持ちが高まっています」
「とくにル・マン100周年という記念すべき年でもありますし、強力なライバルと優勝を争い、ファンの皆さまに楽しんでいただける、記憶に残るシーズンにしたいと思っています」
「我々は立ち止まることなく、つねに『もっといいクルマづくり』を推し進めていきます。そのために、昨年に続きGR010ハイブリッドには幾つかの改良を施して2023年に挑みます。これらのアップデートは東富士とドイツ・ケルンのチームメンバー、パートナーやサプライヤーの皆さまとの強い協力関係により生み出されたもので、関係者全員の尽力に感謝したいと思います」
「この改良型車両をロールアウトとプレシーズンテストで走らせたドライバーたちの印象はとても好感触で、ル・マン制覇とWECタイトル防衛に向けた自信を与えてくれるものでした」
ル・マン6連覇とシリーズ5連覇を目指すTGR WECチームの戦いは、3月17日にアメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われる開幕戦セブリング1000マイルを皮切りに、ポルティマオ6時間、スパ・フランコルシャン6時間、ル・マン24時間へと続いていく。シーズン後半戦は7月のモンツァ6時間に始まり、TGRにとっては母国ラウンドとなる富士6時間、そして最終戦バーレーン8時間でフィナーレ迎える予定だ。
なお、開幕戦の約1週間前となる3月11~12日は、シリーズ恒例の公式テスト“プロローグ”がセブリングで行われる。

