ポルティマオでのイベントでは、唯一ポルシェ・スプリント・チャレンジ・イベリカがサポートレースとして組み込まれている。その練習走行中、ポルシェ991 GT3 Cupがターン1でクラッシュし、バリアを乗り越えて観客席に落下する事故が発生した。
Sportscar365に提供された声明の中で、FIAは「現在、情報収集中」とし、「FIAサーキット委員会によるレビューが行われる」としている。声明では、FIAがサーキットスタッフやイベント主催者と分析を行うため、車両が着地しスタンドは追って通知があるまで閉鎖されることも確認されている。
当該ドライバーのアレックス・アレイアは、メインストレートの終わりで車が「ブレーキが終わった」として、バリアを破ったときスタンドには「幸運にも」観客がいなかったと、後にソーシャルメディアに投稿している。
なお、WECのGTEアマで勝利経験のあるディラン・ペレイラも、このサポートレースでポルシェ991 GT3 Cupをドライブしている。
■IMSAとのバッティングで起きた変化
ベン・ハンリーがIMSAに出場するフィリペ・アルバカーキに代わって22号車オレカ07・ギブソンに乗ることで、ユナイテッド・オートスポーツは、2021年のポルティマオ大会以来WECで初めて、イギリス人だけのラインアップを組むことになった。
2021年のイベントでは、アレックス・リンが23号車をポール・ディ・レスタ、ウェイン・ボイドとシェアした。今年ハンリーは、フレデリック・ルビン、フィル・ハンソンと、英国人トリオを完成させている。
また、ユナイテッド23号車でトム・ブロンクビストの代役を務めるギド・バン・デル・ガルデは、WECでの永続的な復帰を積極的に模索しているわけではない、という。彼は過去2シーズンをIMSAで過ごしていた。
「もし彼らが僕を呼び戻すなら、僕は彼らと会話をし、それがどんなチャンスなのかを確認したい」とバン・デル・ガルデ。
「しかし一方で、本当に戦えるような良いパッケージ、良い契約、良いドライバーである必要がある。もしそうでなければ、僕はIMSAに留まることを好む」
今週末のポルティマオでバン・デル・ガルデは、IMSAにおけるコ・ドライバーであるジョシュ・ピアソンと連携している。
「セブリングでの彼のレースぶりは、本当に、本当によかったと思う。彼とともに(WECに)戻れたのはよかった。また、チームだけでなく、ジョシュや彼の周りの人たちのことを考えても、僕を車に乗せるというのは、とても賢い選択だったと思うね」

■低温が予想されるスパでの『コールド・タイヤ問題』
グッドイヤーは、スパ・フランコルシャンで行った複数のLMP2チームとのテストにおいて、複数のオレカ07・ギブソンが、低温コンディションになりがちなスパでタイヤウォーマーなしで走行した結果に勇気づけられたという。
LMP2タイヤサプライヤーの耐久レースプログラムマネージャーであるマイク・マクレガーは、「ドライバーが賢明で、正しい方法でタイヤを管理する限り、リスクはないと考えている」と語る。
「ドライバーがどのようにピットを離れるか、そして最初のアウトラップについては、一部のドライバーが他のドライバーとは異なる方法でタイヤに熱を入れる様が見られるかもしれない」
■ダラ・ラナさん、大忙し
ノースウエストAMRのポール・ダラ・ラナは、ポルティマオからスパまでの2週間弱の間に、忙しいスケジュールをこなしている。
98号車アストンマーティン・バンテージAMRをドライブするジェントルマンは、「来週初めにはロンドンで仕事があり、その後カナダで日曜日まで過ごし、またシンガポールに行く予定だ」と語った。
「そして、その後、ヨーロッパへと戻ってくるんだ」

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フェラーリのハイパーカー・チームは、持続可能なイベントの設計と管理のための国際規格である『ISO20121』の認証を取得した。

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プジョーは、ル・マン・ハイパーカーのレゴテクニックバージョンを発表した。1/10スケールの組み立て式で、1700以上のパーツから構成され、組み立て時間は9~10時間とされている。
プジョーのドライバーはこの製品の発表会に出席、自身のレゴの肖像画が贈られた。
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走行2日目となる15日土曜日はフリープラクティス3のセッションが現地時間11時15分から60分行われたあと、15時30分(日本時間23時30分)からクラス別の予選セッションが行われる予定となっている。
