予選でポールポジションを獲得したプレマ・レーシング63号車は、ドリアーヌ・ピンがスタートを担当。フロントロウに並んだベクター・スポーツの10号車は、ライアン・カレンがスタートを切った。

 オープニングラップではチームWRT31号車のショーン・ゲラエルが首位に浮上。ピンは徐々に順位を下げ、代わってユナイテッド・オートスポーツの22号車、23号車が表彰台圏内へとポジションを上げてくる。

スタート直前のLMP2クラスの隊列の様子
スタート直前のLMP2クラスの隊列の様子

 開始24分時点で22号車のベン・ヘンリーがゲラエルを交わしてトップに浮上、続いて23号車のギド・バン・デル・ガルデも2番手へ浮上し、各車が最初のルーティンピットを終えるとバン・デル・ガルデが首位に立った。

 2時間経過を前に、23、22号車の順でユナイテッドはワン・ツーを形成。その背後にはプレマ63号車のダニール・クビアトがつけていたが、クビアトはラップダウンの10号車と接触。10号車がスピンしてしまう。これにより、次のピット作業において5秒のストップタイム追加のペナルティが言い渡された。

 レース折り返しの時点でも、トップは23号車。これに63号車が続く。しかし4時間が経過したところで、首位の23号車にピットでの違反があったとのことで、次のピット作業の際に5秒ストップのペナルティが発出される。この時点で2番手63号車とのギャップは約5秒と、首位争いが読めない展開となる。

 果たして、5時間経過を前にしたルーティンピットを終えると、63号車クビアトが首位へと浮上、23号車のオリバー・ジャービスが数秒差で追う形に。ここで4号車のクラッシュによるセーフティカー導入となる。

 残り36分を切ったあたりから、各車は最後のピット作業へ。トップ3では、3番手の22号車が最初にピットへと飛び込む。続いて暫定首位の63号車、そして最後に23号車が給油へ向かった。

 ここで23号車が63号車を逆転し、トップへ。22号車も続き、ユナイテッドがワン・ツーを形成することに。さらに実質3番手でコースに戻っていた63号車のクビアトは、コース上でWRT41号車のルイ・デレトラズにオーバーテイクを許し、ポディウム圏内から脱落してしまう。

 デレトラズはさらに2番手の22号車に迫っていくが及ばず、ユナイテッドがワン・ツーを達成、チームWRT41号車が3位に続く結果となった。

LMP2クラスを制したユナイテッド・オートスポーツの23号車
LMP2クラスを制したユナイテッド・オートスポーツの23号車

■LMGTEアマ:最終ラップでサイド・バイ・サイドの首位争い

 クラスポールのコルベット・レーシング33号車シボレー・コルベットC8.Rではベン・キーティング、2番手アイアン・デイムス85号車ポルシェ911 RSR-19はサラ・ボビーと、多くの陣営がブロンズドライバーでスタートを切ったLMGTEアマクラス。

 日本勢ではケッセル・レーシング57号車フェラーリ488 GTE Evoで木村武史、Dステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMRでは星野敏がスタートを担当する。

 1周目には4番手スタートだったAFコルセ21号車フェラーリのディエゴ・アレッシが首位に。背後にキーティングとボビーがつける展開となった。接近戦を繰り広げたキーティングとボビーだが、45分を前にボビーの85号車が先行する。

開幕戦に続き、今回も上位争いを演じたアイアン・デイムスとコルベット・レーシング
開幕戦に続き、今回も上位争いを演じたアイアン・デイムスとコルベット・レーシング

 2時間目に入ると、この2台の2番手争いにリシャール・ミル・AFコルセ83号車フェラーリのリル・ワドゥが追いつき、一気に2番手へと浮上する。ワドゥはさらに21号車を攻略し、トップに立った。

 2回目のルーティンピットが終わると、85号車ポルシェが首位へ。33号車コルベットがこれに続く展開となる。

 3時間が経過してレース後半に入ると、ニコラ・バローネに代わった33号車コルベットが僅差で85号車ポルシェの前に立つ。クラス3番手は83号車となったが、オフィシャルからはドアが開いているとの報告が。また、85号車のラヘル・フレイも単独スピンから復帰する場面が見られるなど、予断を許さない展開が続いた。

 さらに85号車はミシェル・ガッティングに交代した後、83号車のアレッシオ・ロベラのチャージを受けることに。4時間22分経過時点で、2番手の座を83号車に明け渡すこととなった。

 さらにロベラはトップを走るコルベットのニッキー・キャツバーグに迫っていくと、ここで4号車のクラッシュによるセーフティカーが導入。このセーフティカー明けに各車は最後のピット作業を相次いで行い、キャツバーグは首位をキープする。

 しかしチェッカー目前、ロベラは再び強烈なチャージを見せ、キャツバーグのテールに迫る。テール・トゥ・ノーズの戦いが数周にわたって続き、最終ラップのターン5ではサイド・バイ・サイドのブレーキング競争が繰り広げられたが、キャツバーグが辛くも首位を守り、0.260秒差でフィニッシュラインへ逃げ切った。3位には、アイアン・デイムスの女性ドライバートリオが入っている。

 日本勢では開始から35分、木村の57号車に、Dステーション・レーシング777号車との接触の原因があるとして次のピットストップで5秒ストップ追加のペナルティが科せられるなど、思いどおりにはいかない展開に。57号車はクラス10位でチェッカーを受けている。

 また、Dステーション777号車は藤井誠暢に代わった直後にガレージインし、メカニカルトラブルによりリタイアとなっている。

 次戦、WEC第3戦は4月27〜29日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われる。

LMGTEアマクラス暫定表彰式の様子
LMGTEアマクラス暫定表彰式の様子
ケッセル・レーシングの57号車フェラーリ488 GTE Evo
ケッセル・レーシングの57号車フェラーリ488 GTE Evo

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