木曜日にハーツ・チーム・JOTAの38号車ポルシェ963のステアリングを握ったのは、ウィル・スティーブンスとイーフェイ・イェのみだった。アントニオ・フェリックス・ダ・コスタは、ポルシェのフォーミュラEシミュレーター業務のために欠席し、金曜日のFP3に参加する予定となっている。
ダ・コスタは、木曜日の朝に行われたドライバーズブリーフィングを欠席したため、500ユーロの罰金を科せられた。スチュワードのレポートでは、ダ・コスタの欠席は事前に知らされていたものの、不可抗力とみなされる理由は示されなかったと指摘されている。
■「心強いスタートとなった」JOTAのポルシェ963
スティーブンスは、JOTAのポルシェ963をWECの公式セッションで最初に走らせたドライバーとなった。先週行われたロールアウトでは、ポルシェのファクトリードライバーであるマット・キャンベルがステアリングを握っていたからだ。
スティーブンスは「とても心強いスタートとなった。この週末は、できる限り多くの周回を重ね、我々が持つパッケージを学び始め、その後、二次的なパフォーマンスについて気をかけることになる」と述べている。
木曜日のフリープラクティスはドライコンディションで行われたが、金曜日は雨が予想されている。「明日はかなり雨模様で、マシンを学ぶにはもう少しトリッキーなコンディションになりそうだ」とスティーブンス。
「結局のところ、ここでいろいろなことを経験すればするほど、ル・マンに向けた準備ができるんだ。いいスタートが切れた。この調子でいけるといいね」

一方、WECにおけるもう1台のカスタマー・ポルシェ963となるプロトン・コンペティションは、シーズン第5戦のモンツァでデビューする見込みであり、ル・マンで登場する可能性はかなり低くなっている。
チームオーナーのクリスチャン・リードは「我々は数週間以内にLMDh車両を入手し、モンツァでレースを開始する予定だ」と明かした。
■グリッケンハウス、今年もチャリティ実施へ
グリッケンハウス・レーシングのオーナーであるジム・グリッケンハウスは、木曜日のイベント前のカンファレンスで、ル・マンで再びアーティストと提携してチャリティーオークションを行い、その収益をユニセフに寄付すると明らかにした。
昨年は、ピポ・デラーニが特別なデザインのヘルメットで走り、ブラジルの小児病院への寄付を募るためにこれがオークションにかけられた。
グリッケンハウスはまた、チームが5月の第1週にル・マンのドライバーラインアップを明らかにすることをほのめかした。708号車に加え709号車をエントリーさせるル・マンでは、今季ここまでにドライブしたオリビエ・プラ、ロマン・デュマ、フランク・マイルー、ライアン・ブリスコーに加え、2つの空席を埋める必要がある。

■1コーナー先にスパの新スタンドが完成
スパ・フランコルシャンサーキットの『エンデュランス・ピットストレート』(1コーナーのラ・ソースからオー・ルージュへ向けた下り坂)のアウト側に設けられた新たなグランドスタンドの落成式に、ACO会長のピエール・フィヨン、WECのCEOであるフレデリック・ルキアン、FIAエンデュランス・コミッティ委員長のリシャール・ミルが出席した。
この新しい屋根付きのグランドスタンドは、4100の観客席と40人分のバリアフリーシートを持つ。スパ・フランコルシャンの取締役会長であるメルキール・ワテレは「この落成式は、昨年から始まった観客収容施設の改修の第2段階となる」と述べた。
「この工事は、観客とカスタマーのために最高水準のホスピタリティを維持したいというサーキットの願いを具現化したものだ」
またこの日、WECおよびELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズとスパとの開催契約が、2028年まで延長されたことが発表されている。

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金曜日の走行は、現地時間午前11時(日本時間18時)スタートのFP3から始まる。予選は17時(日本時間24時)に開始される予定だ。