フェラーリ、早くもジョーカー研究中/事故続きでポルシェ911が不足?/「重くて加速できない」etc.【WECスパ予選日Topics】
走行初日の木曜日にクラッシュしたLMGTEアマのAFコルセ21号車フェラーリ488GTE Evoの代替シャシーは、イタリアからの長旅ののち、金曜日の15時30分頃にパドックに到着した。
車両は準備中のため予選は欠場したが、ディエゴ・アレッシ/ユリス・デ・ポー/シモン・マンは土曜日の決勝レースに参加する予定だ。
チームマネージャーのロン・ライヒェルトは、フリープラクティス2で衝突した21号車と54号車のフェラーリをレースに使えるようにするために尽力したAFコルセのメカニックを賞賛した。
彼はまた、21号車のクルーが木曜日の夜に54号車のクルマの修理を手伝い、54号車のクルーは今晩その“お返し”をする予定であると語っている。
■カツカツで911を運用するプロトン
チーム・プロジェクト1は、予選でのラディヨンでのアクシデントにより、レースへ出場を断念した。彼らがスパで撤退するのは、2年ぶり2度目となる。
今回の56号車ポルシェ911 RSR-19のPJ.ハイエットの事故は、2021年にエジディオ・ペルフェッティが予選でクラッシュした場所と同じ場所で発生した。
また、プロトン・コンペティションは、先週バルセロナで行われたヨーロピアン・ル・マン・シリーズのレース中にポルシェ911 RSR-19の1台を失ったため、6月のル・マン24時間に向けたシャシー割り当てについて「限界に達している」という。
チームのボスであるクリスチャン・リードは、ポルティマオのオープニングラップで複数の車両が絡む事故に巻き込まれ、77号車に大きなダメージを受けた。
「(あの)シャシーはダメになってしまった」とリード。「ポルシェからシャシーを調達するのに苦労しているんだ。(WEC開幕戦)セブリングでは(ライアン・)ハードウィックが1台失い、今回はこの1台だ」。
プロトンは現在、ル・マンに出場する6台(自社で4台、アイアンリンクスで2台)すべてにクルマを提供することができるが、その間に1台が大きなダメージを受けた場合、問題が発生する可能性があると、リードは付け加えている。
■『三度目の正直』か『二度あることは三度ある』か
アクシデントがあったセブリング、ブレーキ・バイ・ワイヤの問題があったポルティマオと思うようにいかないレースが続いているフェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499P陣営。アレッサンドロ・ピエール・グイディは「クリーンなレースをするのが待ちきれない」と語っている。
ル・マン前最後のレースとなるスパで、トラブルなく走ることがいかに重要かという質問に対して、ピエール・グイディはこう答えている。
「それはそのとおりだが、ル・マンがチャンピオンシップを左右することは周知の事実だ」
「僕らはそこで、できる限り競争力を発揮したい。正直なところ、ル・マンに勝つことができれば、他のすべてのレースを失ってもいい」
なお、パフォーマンス、シミュレーション、テクニカルレギュレーションマネージャーのマウロ・バルビエリによると、フェラーリは499Pの将来のジョーカー・アップデートの可能性を「すでに研究中」だという。
しかし、彼らはシーズン後半になるまで変更が必要かどうかを判断するつもりはないようで、バルビエリは次のように語っている。
「何かを決める前に、もう少しレースをこなし、マシンを適切な方法で機能させていることを確認する必要がある」
■2024年に向けBMWも準備万端
BMW Mモータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースは、スパのパドックに姿を見せている。
2024年からWECハイパーカークラスに参入するのBMW Mチーム WRTは、来月からBMW Mハイブリッド V8のテストを開始する予定だ。
また、BMWファクトリードライバーのマキシム・マルタンもスパに姿を見せている。彼は過去にアストンマーティンのGTE車両で2シーズンWECを戦い、2019年にはスパでGTEプロクラスを制している。
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WEC第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースは、29日土曜日の12時45分(日本時間19時45分)にスタートが切られる。