***トヨタは、レース終盤にラディオンのコース外からチームメイトをかわしてトップに奪った7号車に対し、レースコントロールからポジションを戻すように命じられれば、それに従うつもりだった。トヨタのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、「8号車が遅かったため、その後に(ふたたび)2台を入れ替えただろう」と述べた。「スポーツの面では、何も変わらなかった」
***バセロンは、51号車フェラーリが2回の追加ストップを行わなければ、トヨタ勢に勝てたか、あるいは2台の間に割り込んだ可能性があると考えている。「最後はもっとタイトになったかもしれない」と彼は言った。「我々はまだギャップを保つことができたと思う。だが、完全に見直すのは非常に難しい」
***ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、ポルシェ963が初期に抱えたステアリングとブレーキに関する問題を解決するため、予選を含むいくつかのセッションを「犠牲にした」。ファクトリーLMDhのディレクターであるウルス・クラトレはそう語り、スパとル・マンの間に、ヨーロッパでの2回のテスト(モンツァへの訪問とポールリカールでの耐久走行)が控えていると付け加えた。
***ハーツ・チーム・JOTAも、LMDhのカスタマーカーを受け取ってからわずか1週間後のレースデビュー戦で6位に入ったポルシェ963を、ル・マン前にテストする予定だ。ポール・リカールでのセッションが予定されており、夜間走行も実施するという。

■2014年以来、9年ぶりの優勝
***ジェントルマンドライバーであるルイス・ペレス・コンパンクは2014年以来、初めてLMGTEアマクラスの表彰台頂点に返り咲いた。前回の優勝もスパであり、当時はマルコ・チオーチ、ミルコ・ベンチュリとチームを組んでいた。
***コンパンク、アレッシオ・ロベラ、リル・ワドゥーの3人は、フェラーリにとって2021年シーズンファイナルのバーレーン以来となるGTEアマの勝利をもたらし、イタリアのメーカーが継続していた8戦連続未勝利にピリオドを打った。
***ザック・ロビションは、GTEアマで4位に終わったプロトン・コンペティションの88号車ポルシェ911 RSR-19のレースについて、タイヤマネジメントがどのように影響したかを説明した。「ポルシェはタイヤを一部のライバルよりも早く暖めることができた。そのためクラスでトップに立つこともできた。しかしその反面、スティント終盤はタイヤの劣化に苦しみ、結果的にふたたびタイムを失ってしまった」

***ファビオ・シェラーは、インターユーロポル・コンペティションがLMP2クラスで「優勝するべきだった」と考えていたが、接触による右リヤタイヤのパンクで34号車オレカ07・ギブソンは緊急ピットインを余儀なくされた。「2分近く挽回したが、最後のセーフティカーの後にパンクしてしまったので、2回ピットインしなければならなかった」とシェラーはSportscar365に語っている。
***それでも、今シーズン初の表彰台を獲得したインターユーロポル。彼らは、来年このカテゴリーを卒業しハイパーカークラスに移ることが見込まれるいくつかのチームと競い合いながら、このレースで好調なスタートを切った。「次のレース(ル・マン24時間)に向けて、さらなる可能性を感じている」とシェラーは続けた。
■キャデラック、LMDhカスタマー展開を検討か
***ベクター・スポーツは、10号車オレカから左リヤのホイールが外れる原因となった問題について、原因がわかっていないという。「データ上では何も表示されず、ガビ(ガブリエル・オーブリー)も振動の問題を報告していないため、完全な調査を開始するにはマシンが戻ってくるまで待つ必要がある」とチーム代表のゲイリー・ホランドは語った。
***フィル・ハンソンは、フォーメーションラップでユナイテッド・オートスポーツ22号車オレカのコントロールを失い、ラディオン出口の壁に衝突したのは自分のミスであると認めた。「ドライバーを追いつめるような瞬間のひとつだったが、言い訳はできない」と彼は語った。ハンソンとフレデリック・ルビンは、フィリペ・アルバカーキとともにクラス5位でフィニッシュし、LMP2チャンピオンシップのリーダーの座を維持している。

***ゼネラルモーターズのスポーツカーレーシングプログラムマネージャーであるローラ・ウォントロップ・クラウザーは、スパでキャデラックLMDhを顧客に販売することを検討する可能性を示唆した。「このプログラムを始めるにあたって、部品に制約が多かったので、今あるもの以上のものを約束しなくてよかったと思います。しかし、それにもようやく少しずつ余裕が出てきましたし、サプライチェーンも追いついてきました。だから、将来的な話し合いの扉は開いていると思いますが、今のところはまだ具体的な計画はありません」
***WECは、週末3日間の観客動員数を7万2224人と発表した。これと近い数字では、SROモータースポーツ・グループが運営するスパ24時間で昨年、4日間で7万3000人が記録されている。
***開幕3戦が終了したWECは次戦、シリーズのハイライトであるル・マン24時間に向かう。100周年の記念大会を前に、参戦チームは6月4日のテストデーでサルト・サーキット(正式名:ル・マン24時間サーキット)に戻る予定だ。
