前述のとおり、ポリカンはチームのオーナーシップとマネジメントに入る以前はドライバーとして活躍しており、ル・マン24時間には13回の出場。リュック・アルファン・アドベンチャーズのコルベットC6.Rを駆りGT1クラス2位となった2010年を含め計3回表彰台を獲得している。
58歳の彼は現在も組織のリーダーとしての役割と並行して散発的にレースに参加し続け、最近ではムジェロ12時間レースでアコーディスASPのメルセデスAMG GT3エボをドライブした。
アコーディスASPとチームWRTは、GTWCヨーロッパをはじめとする夏のレースプログラムを忙しく作業をこなしているため、ポリカンがBMW M4 GT3をテストする機会は限られている。
彼がBMWで最後に走ったのは、2009年のフランスGTシーズン最終戦と2010年のFIA GT3ヨーロッパ選手権の1戦で、当時はアルピナ製のB6 GT3をドライブした。
「唯一可能性があるのは、(スパ24時間の)公式テストだけだ」とポリカン。
「だが、ヴァンサンには『この日は彼らにとって非常に重要な日だ』と言ってある。すべてを理解するために4、5周走ることができれば……しかし、完全に保証されているわけではない」
「我々は、ほぼ毎週末レースをしているから、それが唯一の可能性だ。BMWとメルセデスの間に昼と夜があるわけではないと思う」
「(M4 GT3が)素晴らしいクルマであることは間違いないし、(WRTが)素晴らしいチームであることも確かだ。僕は古いタイプのドライバーだから、2周してフィーリングが分かればOKなんだ」
■今年のロッシは速い
ポリカンは、ル・マン復帰の機会を親友からの“ギフト”として楽しむと同時に、20台のGT3カテゴリーでロッシと強力なペアを形成する可能性を示唆した。
「彼の今年のペースは驚くべきものだ」と彼は述べた。
「バサースト(IGTC開幕戦)ではBMWの中でもっとも速い1台だったし、(GTWCヨーロッパ開幕戦の)モンツァでは第1スティントでトップ集団と一緒に走ることができていた。いまや彼はそのレベルにある」
「もし僕が大丈夫なら、間違いなくクルマは前方を走っているだろう。でも、ストレスはない。ベストを尽くすつもりだ」
