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投稿日: 2023.06.02 04:02

歴代の名車が奇跡の集結。ファン垂涎の100周年記念展示がミュージアムでスタート!【2023ル・マン日報1】


ル・マン/WEC | 歴代の名車が奇跡の集結。ファン垂涎の100周年記念展示がミュージアムでスタート!【2023ル・マン日報1】

 さて、この日からいよいよ100周年のル・マン24時間の“公式プログラム”がスタート。具体的には、サーキット正面ゲート脇に位置するル・マン・ミュージアムで、100周年記念展示が始まるのです。この展示はル・マン・クラシックが終了する7月2日まで行われます。こちらはサーキットの正面ゲート。

 左手のミュージアムに向かって歩いていくと、いの一番に目に飛び込んでくるのは、鈴木カメラマンの記事でも度々登場しているNISSAN GT-R LM NISMO。ここを通る人の99%がカメラを向けていたのではないでしょうか。とにかくインパクトが強烈。個人的にも、思い入れの強い一台です(トリコロールの21号車の方がより親近感が湧きますが)。

 さて、いよいよミュージアム内部へ潜入しましょう。もちろん、すべての展示を写真でお伝えすることはできませんので、そこはご容赦ください。

 まずはル・マンに関わる偉人たちのコーナー。ここの部分の作りは以前と変わりがないようです。今年、『スピリット・オブ・ル・マン』を受賞することが決まったトヨタ自動車の豊田章男会長は、アウディのドクター・ヴォルフガング・ウルリッヒと向かい合っております。

 その奥には、今回の100周年記念大会でグランドマーシャルを務める“鉄人”トム・クリステンセンさんも。

 この通路の突き当たりには、今回の100周年記念大会のウイナーに手渡される、特別デザインのトロフィーが鎮座ましましておりました。想像以上に大きく、重厚感が半端ないです。

 そこを抜けると一転、室内が明るくなり、歴代出場車両のミニカーが年別に飾られています。自分のお気に入りの1台、思い入れの1台を探して見たくなってしまうこと請け合いです。

 というわけで、まずは2015年のショーケースを確認。FF GT-Rの21号車、いました!

 ちなみに、ナカノが初めてル・マンに取材に行ったのは2008年のこと。そのときの思い出のマシンである、東海大学のクラージュ・オレカ(改)の存在を確認し、胸が熱くなりました。

 さて、ここから先がル・マン100年の歴史を彩った、総勢80台ものマシンの記念展示となります。15カ所の博物館と17名の個人コレクターから集められた車両は、1920年代を皮切りに活躍した年代順に並べられていますが、もうあまりにも豪華すぎるメンツで、目まいがしそうなほどでした。というわけで、駆け足で紹介していきましょう。まずは1920年代、黎明期のみなさま。

 異彩を放つこちらの車両は1950年のキャデラック・シリーズ61“Le Monstre”。このどこかアウトロー感漂う佇まい、ツボです。今季デビューしたキャデラックVシリーズ.Rに繋がる匂いも、かすかに感じるのですが、いかがでしょうか。

 当然ながらその後はフォード、フェラーリ、ポルシェといったメーカーの車両を中心に続いていきます。あまりに豪華な車両たちに、そろそろ感覚がマヒしてきます。

 1978年の優勝マシン、ルノー・アルピーヌA442Bは、以前に編集作業で必死に写真を探したこともあり、ぜひ実車を見てみたかった1台。いやもう、たまらんです。

 展示後半はグループCカーからLMP、ハイパーカーと続く、おなじみのトップカテゴリーの系譜(もちろんGT1もいます)。屋根の有無などはありますが、規則のおかげもあって、このあたりからはマシンのおおまかな形状が収斂してくることが分かります。

 みんな大好き、セカテバ・プジョー。ミュルサンヌのストレートで407km/hを記録した車両です。公道で400km/hオーバーですよ? 現在の340km/hもコース脇で体感するととんでもないスピードですが、もはや想像が及ばない世界です。

 日本にとって大事な2台、1991年優勝のマツダ787Bと1995年優勝のマクラーレンF1 GTRは前後に並べられていました。

 その後方には、チームGOHのアウディR8も。当方、この年のル・マンを見て感動し、業界入りを志してしまったクチなので、個人的にはなかなか感慨深いものがありました。

 そう、この時代はアウディ、アウディ、アウディです。

 トリを飾るのは、もちろんトヨタ。悲願の初優勝を達成した2018年から、2019、2020、2021、2022年と、5台のTS050/GR010が並びます。この5台が一堂に介してくれると、細かいマシンのディテールの違いなどが“おさらい”できていいですね。

 そんなこんなで、満喫するには軽く1時間ほどが必要なル・マン・ミュージアム。隣には公式ショップも併設されておりまして、各種グッズを眺めているだけで、こちらでも30分くらいが過ぎていきます。なお、ワタクシはこちらで雑誌『auto sport』6月売り号向けに、読者プレゼントを買い付けて参りましたので、そちらもお楽しみに。

 というわけで、マシンはまだ1mmも走っておりませんが、すでにテンションが高まってきている100周年大会です。明日・明後日は、市内のリパブリック広場にて、公開車検が行われます。こちらの“日報”でも2023年参戦マシンやドライバーたちの様子をお届けする予定です。

 最後は我が宿のアイドルのポートレイトで締めましょう。それでは!


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