プジョーのテクニカルディレクターを務めるオリビエ・ジャンソニは、「(決勝での)レースペースは予選とは異なるものだった」と語った。
「何らかの理由で、私たちは予選をうまくまとめることができていない。だが決勝レースではある程度のペースがあった。しかし、はっきり言っておくと、私たちはフェラーリやトヨタのペースには到達できなかった」
ジャンソニは、ル・マンはこれまでのプジョープログラムにとって最高のレースだったが、2台のマシンがチェッカーフラッグを受けるには「必死に戦う必要があった」と考えていた。
具体的には、ライバルよりもスリックタイヤを履く時間を長くするなど、タイヤ選択に関して「もう少しリスクを取る」戦略がポジションアップに役立ったという。
「結局のところ、私たちには他のライバルらのようなペースがなかったのかもしれない。これはテストデーから決めていたことだが、ペースで劣る分を戦略でカバーする計画があり、私たちはそれを実行した」
「そのため、ドライバーたちは非常に集中していた。そうやって何らかのリスクを負えば、何らかの事件が発生するものだ」
「それでもドライバーたちは、どうにかしてマシンをコース上に維持し、修正すべきことにはすぐに対応してくれた」
ジャンソニは、今回のル・マン24時間はプジョーにとって「非常に多くの感情をもたらした。夜のレースで先頭に立ったことにはとても驚いていた」と付け加えた。
しかし、94号車がリードを奪った高揚感は、コース上でのアクシデントとその後のメカニカルトラブルによって鎮められた。
「94号車のエンジンでは何周も走れないことが分かっていたので、ガレージにマシンを呼び戻して修理し、最後に(チェッカーを受けるために)1周だけ走った」
一方の93号車は、スタートから4時間が経過した時点で導入されていたセーフティカーランの間に、ミュルサンヌでスピンし後退、その後はさらにスプリッターの破損とパワーステアリングの問題に見舞われていた。
予選ではハイパーポール進出を逃しクラス後方に沈んでしまったが、決勝レースでは荒れたコンディションでポテンシャルを発揮し、ライバルらに一矢報いたプジョー9X8。このル・マン24時間がプログラムのターニングポイントになると思うかと尋ねられたジャンソニは、「そう思う」と答えた。

