金曜朝イチは、毎年恒例のACOのプレスカンファレンスから。開始時刻は9時30分、会場はテルトル・ルージュ内側のスタジアム。宿からは2分くらいで到着するので助かるのですが、さすがに眠い……。
会場に入ると、集まっていた人の数と“熱気”にビックリ。立錐の余地なし、とはまさにこのことで、会場後方で見守るしかありませんでした。
豊田章男トヨタ自動車会長の登壇、水素プロトタイプカーの発表に続き、シリーズとしてもLMP2クラス廃止、LMGT3における各メーカーの台数制限、2024年シーズンのカレンダー発表など、ビッグトピックスが目白押しだった今回の会見。途中からできた空席になんとか座ることができ、日本側で待機してくれたスタッフと協力して、なんとか速報記事をアップすることができました。
ACO会見が終わるとすぐにクルマで数百メートル移動し、アルピーヌの新型LMDh発表会へ。会場は“テクノパーク”と呼ばれる工業団地手前に建設された、新しいアルピーヌの設備でした。
中に入ると、こちらもすごい人・人・人……。中央に置かれたベールがかけられたマシンは、発表前の段階からヘッドライトやゼッケンがゆーっくりと点滅し、それがベールから透けて見える、というなかなかニクい演出。早く見てぇ……。
アンベイルされたマシンは、ちょっと“ハリボテ感強め”なのが残念でしたが、全体的なスタイリングはいかにもアルピーヌ、といったまとまりがあるように感じられました。カッコいいです。ノーズ部分の処理は、ベース車両を共にするアキュラと同様ですね。完全版が見られる日を楽しみにしたいところ。
取材はまだまだ続きます。周辺道路の大渋滞に巻き込まれながらサーキットへ。
まずは水素村へと赴き、ベールが剥がされたトヨタの水素エンジンコンセプトカー『GR H2 Racing Concept』を激写します。なかなかカッコいいじゃないですか!
その後、ファンビレッジにあるフォードのブースへ移動すると、ものすごい人だかりが……。いよいよ、マスタングGT3の正式発表です。
メディア専用スペースはなかったのですが、集まったファンの方々がとてもフレンドリーで「前に入っていいよ」と入れてくださいました。メルシー!
マスタングGT3、正直カラーリングには驚きましたが、これはこれでアメリカン。マッチョなボディライン、大胆な空力アイテムの造形など、オリジナリティに溢れていていいですね。
それにしてもNASCARといい、フォードといい、今年のル・マンはアメリカのメーカーやシリーズが、欧州でのプロモーション機会をうまく活用している様子が印象的でした。なにしろ、WECの走行がない金曜日でも、サーキット内はものすごい観客の数。100周年記念大会が、ハンパじゃないってことがよくわかります。
プレスルームに戻ってマスタングGT3の記事をアップしたら、もう14時。すでに市内でのドライバーズパレードの時間ではありますが、カメラマンさんにお任せすることに。さらに、夕方以降のサーキットでの歴代車両デモランもパスさせてもらうことにしました(フォトギャラリーはこちら)。ル・マン取材は「ひとりですべてを網羅」することはできませんし、ここまでの10日間でだいぶ疲労も溜まってきています。“本番”の決勝日に向け、少し身体を休めましょう。
というわけで、サーキットからの帰りにはアルナージュ村にあるスーパーマーケット、『SUPER U』に立ち寄ることに。こちら、ル・マン市内のカルフールよりも小さめの面積ですが、ゆえに人も少なく、買い物もしやすいです。
夕飯の買い出しも兼ねていたのですが、最大のお目当てはこちら。100周年記念のエコバックとトートバッグです。自分と、お世話になっている方へのおみやげとして購入。
で、びっくりしたのはこれですよ。スーパーの片隅に、ものすごーく懐かしい小林可夢偉選手のスーツがディスプレイされているじゃないですか!
ロゴから察するにおそらくトヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム下でのGP2参戦時、2008年シーズンのものでしょうか。というわけで写真を検索してみると……こちら、2008年のGP2バルセロナ戦。可夢偉選手の隣は、いまやTGRのチームメイト、セバスチャン・ブエミ選手ですね。いやー、ふたりともお若い。
宿に戻り、買ってきた肉やらソーセージやらを焼いて夕食に。決勝日に向けては天気は下り坂。ル・マンに来てずーっと晴れが続いていたのに……。初めて“焼けない西の空”を見ながら、この日は早めに眠りにつきました。
(続く)