マルチマチックのシミュレーターでポルシェ963をドライブしたことのあるティンクネルによれば、プロトンのドライバーたちは「小学生のように復習している」という。
チームメイトのブルーニもシミュレーターでのテストを実施済み。元ポルシェLMP1ドライバーのジャニが最後にポルシェのプロトタイプカーをドライブしたのは約2年前で、開発プログラム中だった。
「今年、ル・マンと開幕戦セブリングのために、かなりの時間をかけてマシンのシミュレータードライブとサポート作業を行った」とマルチマチックのドライバーは振り返る。
「だから、シミュレーターではそれなりにクルマのことを理解しているのだけど、実戦はまったく違うステップになる」と続けたティンクネル。「僕たちはまるで小学生のように、50ページのマニュアルを読んでは復習してきたんだ」
「ステアリングホイールやブレーキ、ハイブリッドシステムなど、クルマのバランスに影響を与えることができる電子制御的なものが数多くある。車内の中には調整できるものがたくさんあるんだ」
「しかし僕たちは経験が浅い。初めてのことだからね。スピードに乗ること自体が大変だし、そのうえで新しいシステムや手順に慣れる必要がある。それができれば優位に立てるクルマだと思う」
ティンクネルはモンツァでのハイパーカーデビューを控え、この週末に何人かでも驚かせる走りを見せたいと考えている。
「僕たちにとって重要なのは1周ごとに確実にラップをこなしつつ、すべてのスイッチが何をするためのものなかを理解し、その影響を学ぶことだ」
「正直に言って今週末の僕たちに向けられる期待はかなり低いと思うけれど、理想を言えば、少しでも多くの人たちを驚かせたい」

