更新日: 2023.07.10 20:33
年1回のカナダ戦は終盤に大荒れ。ガス欠覚悟の賭けに出たMSRアキュラがデイトナ以来の勝利/IMSA
レースは残り23分で再開される。首位60号車のブラウンが逃げる一方、アルバカーキが乗り込んだ10号車は「60号車はスプラッシュに入る」と読み、これを無理に追わなかった。しかし、その思惑は外れる。
残り5分となったところで4度目のコーション。01号車キャデラックが24号車BMW MハイブリッドV8とのバトルの最中にターン8でコースオフし、高速でタイヤバリアにクラッシュしたのだ。幸いステアリングを握っていたレンガー・バン・デル・ザンデは自力でクルマを降りることができたが、レースはSC先導のままフィニッシュという結末に。
その結果、1時間15分もの間給油をすることなく走り続けた60号車アキュラが優勝を飾り、レースの主導権を握ったかに思われた10号車が2位。3位には前戦優勝の25号車BMW MハイブリッドV8が入った。デビュー3戦目の5号車キャデラックVシリーズ.Rは4位となり今シーズン最高位をマーク。ポルシェ・ペンスキーの6号車と7号車が5位、6位となっている。
LMP3クラスでは74号車リジェJS P320・ニッサン(ライリー)がポールポジションから長らくレースをリードしていたが、2時間目に同じくリジェユーザーのJr IIIレーシングの30号車に逆転を許しクラス2番手に。しかし、チェッカーまで残り7分となったところでフェリペ・フラガの74号車が最終コーナーで30号車のインに飛び込む。2台はサイド・バイ・サイドの状態となり、Jr IIIのマシンがアウト側のグラベルに押し出されるようなかたちとなって順位が入れ替わった。その後4度目のコーションが出されたためライリーのガー・ロビンソン/フラガ組が勝利を収めている。
GTDクラスはコルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC8.R GTD(アントニオ・ガルシア/ジョーダン・テイラー組)が2022年以来の優勝。コルベットのGT3仕様車は、ポールスタートの14号車レクサスRC F GT3(バッサーサリバン)と2番手につけていた9号車ポルシェ911 GT3 R(パフ・モータースポーツ)が1回目のリスタート時に激しく競り合い、両者がコースアウトした隙をついてトップに立った後、レース終盤は9号車ポルシェからのプッシュを退けた。同じくGT3カーで争われるGTDクラスでは、ブライアン・セラーズ/マディソン・スノー組1号車BMW M4 GT3(ポール・ミラー・レーシング)が、70号車マクラーレン720S GT3エボの挑戦を凌ぎ切りクラス優勝を果たしている。
ウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦は7月21~22日に行われるライム・ロック・パークだ。今季第7戦となる同ラウンドはGTDプロとGTDの2クラスのみで開催される。