SROモータースポーツ・グループが運営する各地のGTワールドチャレンジやIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ、そしてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDクラスなどで成功を収めてきたメルセデスAMGだが、WEC世界耐久選手権が2024年に新設するLMGT3クラスで、ドイツメーカーのためのグリッドが用意されているかどうかは現時点で明らかになっていない。
ウェンドルは、WECの新カテゴリーのエントリー割り当てがどのようになるかは分からないと語り、同世界選手権において「伝統のない」メルセデスは、他社に比べて不利な立場に立たされる可能性があると認めた。
メルセデスがル・マン24時間レースで総合優勝を果たしたのは1952年までさかのぼる。その後、同ブランドはACOフランス西部自動車クラブが管轄するAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズやミシュラン・ル・マン・カップでは活躍していたものの、1999年以降はフルワークスでのエントリーは行っていない。
「私たちは彼らとの関係をスタートさせ、各段階でコネクションを築きつつある。しかし、自信を示せるほど何かがあるわけではない」とウェンドル。
「だから、私たちはこのプラットフォームに乗るために丁寧に対応し、私たちのシステムの強みを活かそうとしている。ACOにとっても我々は魅力的なパートナーになるだろう。WECでの(各社)2台までのエントリー枠だけでなく、彼らの下位プラットフォームに加わる潜在的な顧客チームがたくさんいるためだ」
ACOのピエール・フィヨン会長は今年6月、BMWやフェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェといったハイパーカークラスに参加しているメーカーにLMGT3エントリーの優先権を与えると述べた。その他のブランドは、WEC選考委員会から出場枠を確保することが参加条件となる。
「これは少なくとも(WECのフルグリッドである36~38台の内)14台のGT3マシンが出走するという仮定につながる」とウェンドルは語った。
「これは重要なことだ。多くのブランドが(決定を)待っている。フォード、アストンマーティン、マクラーレン、アウディ、そして私たち。さらにはホンダもあり得る。その6つすべてが同じように興味を持ち、カスタマーを連れてくると思う。それは間違いないだろう」
「もしも彼らがエントリーの枠を持っていたとしたら18、もしくは20、24……。これが、他メーカーのGT3カーが1台か2台が出場できる可能性のある枠の数であり、これが私の解釈だ」
「我々は(残る)22台のWECエントリーを確実に獲得するだろうと言うことはできない。私が理解した限りでは、WECはLMDhエントリーやLMHエントリーを制限するつもりはない。つまりLMGT3クラスの枠の数は、ハイパーカークラスのグリッドが確定するまで待つ必要があるということだ」
