更新日: 2023.08.21 16:56
ル・マンを制したフェラーリ、残り2戦でトヨタを追い越せるか。「少し運が必要」とカラド/WEC
長年にわたり戦ってきたGTEプロカテゴリーからハイパーカークラスに移ってきたカラドは、「今シーズンは未知の世界だった」と述べた。
「パフォーマンスがあることは知っていたし、同時に信頼性が弱点になり得ると思っていたんだ。でも、実際はマシンの信頼性は高く、個人的には良い意味でショックを受けたよ。ル・マンではメカニカルな問題もなかった。小さな電気的なトラブルはあったけど解決できたし、クルマは完璧だった」
「チームはこのクルマを早く戦えるクルマにするべく努力しているし、チームは素晴らしい仕事をしてくれているよ。シミュレーターでの作業や信頼性のチェックなど、彼らとの作業は絶え間ない。2台のマシンがどちらもワールドタイトルを狙える位置にいるのは彼らのおかげだ」
カラドはハイパーカークラス参戦1年目となったここまでの2023年シーズンを次のように振り返った。
「1年目ということもあるし、多くのことを学んでいるよ。僕たちとしては少し不運だった面もあるね」
「セブリングではアクシデントに見舞われて、ちょっとした悪夢のようだった。モンツァもタフなレースだったね。スタート直後の接触で勝負権を失い、緊急のピットストップで戦略から外れてしまったんだ。これらの出来事はすべて、もっと良くすることができたはずだ。でも、とにかく努力を続けて、自分に何ができるかを見極めるしかない」
「ポルティマオではブレーキディスクが3枚しかない状態でフィニッシュしたんだ。信じられないことだよ。もう1台(AFコルセ50号車)はル・マンで石がラジエターを突き破ってしまい、大きくポイントを失った。誰にでも浮き沈みはあるものだが、とにかく仕事に集中するしかないんだ」
終盤戦の第6戦富士と最終戦バーレーンは、フェラーリ499Pにとって、まだ未経験のサーキットだ。一方で、トヨタのGR010はどちらでも優勝した経験を持っている。しかしカラドは、AFコルセのGTEプロクラスでの経歴を考えれば、フェラーリの競争力や準備に大きな違いはないと考えている。
BoP(バランス・オブ・パフォーマンス:性能調整)によれば、富士での499Pはモンツァの時よりも7kg重くなるが、最高出力は8kW(約10ps)高くなり、各スティントで使用できるエネルギーも増加する計算だ。
「練習走行も何度か行ったし、ファクトリーのシミュレーターもかなり正確だった」と話すカラド。
「ベースとなるセットアップについては充分な知識を持って臨むことができるよ。僕にとって、富士はいつも良いコースだしね。GTEプロでは良い結果を残してきた」
「バーレーンは、ハイパーカーでは経験がないけど、誰もが特性を理解している。正直なところ、とくに驚くようなことはないと思っているよ。これまでと同じように対処していくだけさ」