更新日: 2023.10.01 16:23
佐藤万璃音 2023 ELMS第4戦スパ・フランコルシャン レースレポート
RAMBLAS PRESS RELEASE
2023年9月28日
ELMS第4戦、セーフティカーのタイミングで勝機を奪われた佐藤万璃音の不運。
各位
今シーズンより新たにヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)に挑戦を開始した佐藤万璃音(UNITED AUTOSPORTS USA 所属、モナコ在住・24歳)が、9月24日にベルギー、スパ・フランコルシャンで開催されたシリーズ第4大会「4HOURS OF SPA-FRANCORCHAMPS」に参戦。予選ではフロントロウを獲得しましたが、スタート直後のアクシデントに巻き込まれ、最後尾にドロップ。しかし素晴らしいリカバーを見せながら、追い上げていたのですが、予定されていたピットのタイミング直前でセーフティカーが入ってしまったことで万事休す。セーフティカー中はルールによって給油以外の作業ができず、3分近くをロスしてしまい、LMP2クラス5位に終わりました。
今シーズン、UNITED AUTOSPORTS USAはタイトル奪還のために3台エントリーの必勝体制でヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦しており、ゼッケン22号車を駆る佐藤万璃音も、前戦の第3大会で自身にとってLMP2クラスで初優勝を飾っており、チャンピオン争いに名乗りをあげています。
WEC富士6時間耐久レースに参戦したUNITED AUTOSPORTSの応援に一時帰国し、再びヨーロッパに戻った佐藤万璃音にとって、第4大会の舞台となったベルギー、スパ・フランコルシャンは慣れ親しんだ好きなサーキットのひとつです。
チームは走り出しからペースが良く、予選ではポールポジションに僅かに届きませんでしたがフロントロウを獲得。佐藤万璃音がスタートドライバーを務めることとなりました。
しかし、スタート直後の先陣争いで2番手のまま第1コーナーをターンインしている佐藤万璃音のマシンに対し、ブレーキングをミスしたのか、かなり後方から追突するマシンが現れ、佐藤万璃音はグラベルへと飛ばされました。
そこでマシンがスタックしてしまったのですが、そのさらに後方からLMP3クラスのマシンが佐藤万璃音のマシンに突っ込んできたおかげで、その衝撃からグラベル脱出ができ、リヤ部分に大きなダメージを受けるものの、周回遅れになることなくピットに戻って素早くマシンを修復。最後尾ではありますが、同ラップでレースに復帰することができました。
そこから圧倒的な速さで次々とLMGTEクラスやLMP3クラスのマシンをパスし、LMP2クラスの3番手まで追い上げたところで前を走るマシンと接触してしまい、その後、ドライブスルーペナルティを受けることとなりました。
レースは4時間の長丁場ですが、今回のレースは佐藤万璃音が最初のダブルスティントを担当し、チームメイトのフィル選手に交代するギリギリまで攻めの走りを続けました。燃料が尽きるギリギリまで攻めて走ってピットに飛び込もうという、まさにその周にセーフティカーが出てしまい、ルールによって給油以外の一切の作業が認められないため、22号車は一旦給油のみして、セーフティカーランが終わるのを待ち、再度ピット作業とドライバー交代に入らねばならなくなってしまったのです。この予定外のピットストップで合計約3分のタイムロス。これで事実上、勝利の権利を失いました。
そしてチームメイトのフィル選手がコースインしたのですが、グラベルに出た際にマシンに入った小石が走行中にスロットルペダルのストッパーに挟まってしまい、アクセルが20%しか開かなくなるというトラブルが発生。修理のためにピットインして、またしても大きく順位を下げてしまいました。
その遅れを再びリカバーすべく、チームメイトのフィル選手も力走を見せてくれたこともあり、結果はクラス5位でチェッカー。しかし、タイトルを狙う
22号車にとっては、予想以上に厳しい週末となってしまいました。
■佐藤万璃音のコメント
「今日のレースは、何事もなければ勝てたレースでした。ベースセットから問題なくスピードがあり、ファクトリーから持ち込んだ状態のまま、大きなセットアップの変更をすることなく走れていましたし、予選でもフロントロウが獲得できました。決勝のスタートでは、ローリングスタートからトップを奪うのは無理なので、とにかく第1コーナーでのアクシデントだけは避けたいと思い、リスク回避のためにイン側を狙って、第1コーナーのエイペックスを通り過ぎたあたりで誰かがリヤタイヤに当たってきて、グラベルに飛び出してしまいました。内側から誰か来そうな不安感はあったのですが、まさか、という感じでした。グラベルにはまって抜けられなかった状態だったのですが、コントロールを失ったLMP3クラスのマシンがリヤに飛び込んできてくれたおかげで、マシンのダメージは受けましたがコースに復帰することができました。
ピットで修理を終え、セーフティカーが長かったので、同一ラップでレースに復帰することができました。もちろん多少セットアップは狂っていましたが、飛ばしに飛ばし、ほとんどのマシンを抜いて、自分のスティントが終わるころには、ポジションを3番手くらいまで戻すことができました。ドライブスルーペナルティを受けたこともあり、順調ではなかったのですが、確かに自分たちにスピードはありました。
そして自分のスティントで、燃費的に予定されたギリギリまで攻めてドライバー交代をしようと思っていたラップのブランシモンでセーフティカーが出てしまい、万事休す。ELMSのルールではセーフティカー中にピットでの給油以外の作業は禁止されているので、手の打ちようがなかったです。
クォリティの高いレースができれば、十分チャンピオンは狙えると思っていましたが、スロットルのトラブルも出てしまい、厳しい結果となってしまいました。このカテゴリーの難しさや厳しさを理解したうえで、自分としてはあきらめることなく次のレースに挑みます。皆さん、応援よろしくお願いします」