更新日: 2023.10.05 12:01
アストンマーティンのWECハイパーカー計画が再始動。2025年ル・マンに『ヴァルキリー』で挑む
「ハート・オブ・レーシングとともにアストンマーティンを耐久レースの頂点に返り咲かせることができるのは光栄なことだ」と語るのは、チームのボスでありLMGTEアマクラスでは自身も98号車バンテージAMRのステアリングを握るイアン・ジェームス。
「私たちのチームは、2020年にデイトナで有名なウイング(アストンマーティン)とレースを始めて以来、飛躍的に成長してきた。我々はブランドの理念を理解しそれに沿っているし、クルマの性能を最大限に引き出すために独自のシステムや技術を開発してきた」
「またヴァルキリーへの理解も深く、2年前からはカスタマー・アクティベーション・プログラムを通じて密接に協力してきたんだ」
「このハート・オブ・レーシングチームは耐久レースで大きな野心を持っている。WECとIMSAのトップクラスに足を踏み入れ、総合優勝に挑戦する絶好のタイミングだ。もちろん、これは簡単な目標ではないが、私たちのパートナーとアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズのサポートにより、私たちが成功を収めるために必要なツールと能力はすべて揃っている」
■唯一のロードカーベースのマシンでプロトタイプ・ハイパーカーに挑戦
110年の歴史を持つイギリスのスポーツカーブランドが、ル・マン24時間レースのトップカテゴリーで行った最近の取り組みは、プロドライブとのタッグで行われたAMR-Oneプログラムだ。なお、この活動のために開発された2.0リッター直列6気筒エンジンを搭載したオープンタイプのプロトタイプカーは、2011年にわずか2レースしか走らずに姿を消すことになっている。
その後14年のときを経てル・マンの最高峰クラスに戻ろうとしているアストンマーティンは、過去に一度だけ総合ウイナーとなった。1959年にロイ・サルバドーリとキャロル・シェルビーによってドライブされた『アストンマーティンDBR1』が同ブランド唯一のル・マン総合優勝マシンだ。
老舗ブランドのエンデュランス・モータースポーツ責任者を務めるアダム・カーターは「今日、アストンマーティンは耐久レースにおける新たなチャプターの幕開けを迎えた」と述べた。
「アストンマーティンはマニュファクチャラーとして世界選手権レベルで一貫した成功を収めており、ハート・オブ・レーシングの努力により、北米のIMSAでも成功を収めている」
「ヴァルキリーは、我々をスポーツカーレースのトップクラスに連れ戻す。私たちはパートナーとともに、このクラスのベンチマーク・マシンとともに戦えるポテンシャルとパフォーマンスを備えたレースカーを提供できると確信しているんだ。ハート・オブ・レーシングのような実績のあるオペレーションチームと協力することで、競争力のあるプラットフォームでレースを戦うために必要なものをすべて手に入れることができる」
「ヴァルキリーがこのクラスで唯一、ロードカーとの直接的な相乗効果をもたらすハイパーカーであることを考えると、これは魅力的なプログラムだ。このクルマのコンセプトはつねに境界を打ち破ることを意図している。いま私たちはトラック上で何ができるかを示す機会を得た」