更新日: 2024.05.20 00:09
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス 決勝レポート
SUPER FORMULA 2024
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING
RACE REPORT
第2戦オートポリス
2024年5月19日(日)
決勝
天候:晴れ 路面:ドライ
#38 阪口晴南
決勝:6位
#39 大湯都史樹
決勝:15位
5月18日(土)に行われた公式予選では阪口晴南が4番手、さらに大湯都史樹も復調の兆しをみせ11番手と、上位を狙える位置につけたVERTEX PARTNERS CERUMO・INGING。決勝レースでの好結果を目指すチームは、5月19日(日)の決勝日に臨んだ。
このオートポリスは、国内のサーキットのなかでも最もタイヤに厳しいと言われる難コース。41周の長丁場のレースで、いかにペースを高く保つか、そしていかにスタートを決めるかが重要となる。午後2時50分からの決勝レースに向け、チームは午前10時からのフリー走行に臨んだ。
PRACTICE フリー走行
5月19日(日)10:00〜10:30 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南:1’31.109/#39 大湯都史樹:1’31.992
決勝日のオートポリスは、やや雲が多いものの前日に続き晴天に恵まれた。ただこの日は風が強く、メインストレートでは向かい風となっていた。
そんななか、午前10時から始まったフリー走行では、開始と同時に阪口、大湯ともにコースイン。すぐにピットに戻り再コースインすると、まず阪口が2周目に1分31秒109というベストタイムをマーク。続いて大湯も3周目に1分31秒992を記録し。そのまま2台は燃料を積んだ状態でのロングランに入り、決勝に向けたセットアップを確認していった。
ただ開始から14分が過ぎたころ、#50 木村偉織がクラッシュ。セッションは一時赤旗中断となった。またチェッカー時にも#12 三宅淳詞がクラッシュを喫したが、こちらは走行終了ということもあり、赤旗が出ることはなくチェッカーを迎えている。
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2台は、赤旗再開後もラップを重ねていき、阪口は12周を走りフリー走行は9番手で終えた。
「第1戦の反省を踏まえ、レースでの精度を上げるべくセットアップを行っていきました」という阪口だったが、「足りなかった」と順位が示すとおり、あとわずかな速さが欲しいところだった。一方12周を走った大湯もややペースに苦しむ状況で、こちらも決勝レースに向けた改善が必要と言えた。
オートポリスは路面コンディションの変化も大きいことで知られており、サポートレースの走行によっても変化する。インターバルの状況や気温の変化などを加味しながら、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGはレースに向けて2台のセットアップを進めていった。
RACE 決勝レース
5月19日(日)14:50〜15:57 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南:1’31.525(14L)/#39 大湯都史樹:1’31.987(29L)
8900人の来場者が見守るなか、迎えた午後2時50分からの決勝レース。気温24度/路面温度38度というコンディションのもと、1周のフォーメーションラップを経て決勝レースの火ぶたが切って落とされた。
例年、スタート直後にはアクシデントも多く発生するオートポリスでのレースだが、今回はクラッシュ等はなくオープニングラップが進んでいく。阪口は4番手から好感触でスタートを切り、予選順位のままトップ3を追っていった。
フリー走行で得たフィードバックとともに変更したセットアップの感触も良好だったが、トップ3が速い。阪口は持てるポテンシャルをフルに活かし、上位に食らいついていった。一方の大湯も好発進を決め、序盤は9番手につけていく。
このレースで重要になるのはレースペース、そして戦略だ。チームはタイヤのグリップダウン、トラックポジションなどを検討しながらピットインのタイミングを探っていく。作業を終えコースに戻った際に、遅い車両に引っかかってしまう恐れもあり、エンジニアたちは慎重にタイミングを見定めた。
まず12周目にピットインを行ったのは阪口。チームは迅速に作業を進めるが、右リヤタイヤに時間がかかってしまう。コースに復帰すると、先にピットインしていた#6 太田格之進に先行を許してしまった。
一方、大湯はレース後半にピットインする作戦をチョイス。フリー走行からセットアップは改善されており、大湯は安定したペースでラップを重ね、終盤ニュータイヤで追い上げる作戦を採った。
ただ26周を終え、走行全車のうち最も遅くピットインした大湯だったが、ここでまたも左リヤの作業にミスが出てしまいタイムロスを喫してしまう。コースに復帰してみると、大湯の順位は16番手。序盤ポイント圏内を走っていただけに、痛恨のポジションダウンとなってしまった。
序盤にピットインしていた阪口は、レース後半に向けてもタイムの落ちは少なく、セットアップの良さを感じさせるレースとなっていたが、それでも今回上位に食い込んだライバルたちに比べると、わずかに速さが足りない状況だった。阪口は#6 太田を追いながら戦い続けたが、終わってみれば6位でフィニッシュすることになった。
ピットアウト後、ニュータイヤでひとつでも順位の挽回を図りたい大湯だったが、10番手以下の集団に抑え込まれてしまう。特に今回スポット参戦だった#19 ベン・バーニコートとの攻防では、大湯は何度も行く手を阻まれ、ファイナルラップにコースアウトを喫するほど。それでもダメージなくコースに戻った大湯は、15位でチェッカーを受けた。
2台ともにレースペースは悪いものではなく、十分ポイント圏内を見据えるものだったが、ピット作業がふたりの足を引っ張ることになってしまった。チームは次戦以降ふたりを助けるべく反省し、6月のSUGOでのレースに臨む。
COMMENTS ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南
「フリー走行ではポテンシャルが足りない印象があったので、攻めたセットアップをしたのですが、レースでは今週いちばんの感触を得ることができました。スタートも決まり、ポジションを守って走ることができ、実際レースのフィーリングも悪くなかったのですが、トップ3はさらに一段上のペースで走っていたので、さらに上げる必要を感じましたね」
「戦略は悪くはありませんでしたが、ピットでミスもあって。自分が止まる位置など、しっかり原因を見つけなければいけませんね。レース後半のペースも悪くなかったので、前進していることは感じましたが、ここをベースとして、次戦SUGOではトップグループに追いつけるよう、さらに上を目指したいと思います」
#39 大湯都史樹
「スタートはうまくいきレース後半までピットインを引っ張る作戦を採りました。その作戦自体は悪くなかったと思いますが、ピットでロスが出てしまいました。終盤に追い上げたかったのですが、バーニコート選手に何度も阻まれてしまって」
「とはいえ結果的に15位となってしまいましたが、朝のフリー走行のことを考えると、決して良いわけではありませんが、まずまずのポテンシャルがあったと思っています。ただ予選での課題が解決しているわけではありませんし、決勝でのペースも中団で走れていたかな……というくらいです」
「次戦SUGOは得意なわけではありませんが、成績が出ているコースなので、しっかりと改善し、準備をして臨みたいと思います」
立川祐路監督
「阪口選手についてはレースウイークを通じてフィーリングも良好でしたが、決勝では上位の数台に比べるとペースはまだもうひとつ足りていませんでしたね。次戦に向けて、ロングランのペースを上げなければいけませんので、その点は頑張らなければと思います」
「一方大湯選手については、パフォーマンスを出し切れない苦しい戦いのなか、頑張ってラップを重ねてくれていましたが、ピットでロスが出てしまいました」
「ふたりともピットでミスが出てしまったので、チームとして情けなく感じていますし、ドライバーに申し訳なく思っています。次戦向けて、しっかりとチームとして強化しかなければいけないと感じています。応援ありがとうございました」