更新日: 2024.06.24 12:10
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 決勝レポート
第3戦スポーツランドSUGO
2024年6月23日(日)
決勝
天候:雨 路面:ウエット
#38 阪口晴南
決勝:12位
#39 大湯都史樹
決勝:5位
6月22日(土)に行われた公式予選では、開幕2戦で苦しんだ大湯都史樹が復調をみせ5番手を獲得。一方、阪口晴南もコースオフがありながら、速さをみせ12番手とスピードの面で上り調子にあることを感じさせたVERTEX PARTNERS CERUMO・INGING。ただ、迎えた6月23日(日)の決勝日は、事前の天気予報から梅雨前線の影響でウエットコンディションになることが予想された。今シーズンまだウエットでのレースはなく、SUGOは波乱も多いコース。路面状況と展開をしっかりと読み上位進出を目指すべく、チームは決勝日に向けてしっかりと準備を進めた。
6月23日(日) 9:55~10:05 天候:雨 路面:ウエット
ベストタイム #38 阪口晴南 2分22秒262/#39 大湯都史樹 2分32秒994
迎えた6月23日(日)の決勝日。この日東北地方は梅雨入りしており、スポーツランドSUGOは朝からシトシトと細かい雨が降っていた。午前9時から行われていたスーパーフォーミュラ・ライツの第8戦の決勝レースの間はかろうじて走れるコンディションだったものの、9時55分から行われたスーパーフォーミュラのフリー走行は、やや雨脚が強まっており、大パワーをもつSF23での走行はやや危険にも感じられた。
コースオープン後、阪口晴南、大湯都史樹の2台はコースインしてからすぐにピットに戻り、再コースイン後1周をこなすものの、水量が多くアクアプレーニングがひどい。ライバルたちも状況は同様で、開始から4分過ぎ、予選2番手だった#15 岩佐歩夢がメインストレートで水膜に乗りスピンを喫し、コンクリートウォールにヒットしてしまう。
セッションは赤旗中断となったが、その後も雨はしばらく降り続き、10時24分には再開しないまま終了というアナウンスがされた。開始からわずか5分でフリー走行は終了となったが、阪口、大湯ともに記録していたのは2分台のラップタイム。11台がノータイムで、決勝レースを前にウエットでのセットアップの確認がまったくできていない状況だった。大会審査委員会はレーススタート前のウォームアップ走行の時間を8分から20分に拡大。ここで最終的な確認を行うことになった。
そんな状況ではあったが、阪口は「フィーリングはとても良かったです」と決勝に向けて手ごたえを得ていた。また大湯もウエットでの感触も良く、このコンディション下でうまく展開を掴めば表彰台も見えてくる期待を抱かせた。
ただ、フリー走行の赤旗中断後も雨は降り続き、ピットウォークの間には霧も出はじめていた。
RACE 決勝レース
6月23日(日) 15:35~16:01 天候:雨 路面:ウエット
ベストタイム #38 阪口晴南 1分54秒041(12L)/#39 大湯都史樹 1分49秒132(6L)
フリー走行の後も雨が降り続いたスポーツランドSUGO。ピットウォークの後に行われたスーパーフォーミュラ・ライツ第9戦では濃霧も立ちこめ、セーフティカーランのまま終了になるなど、コンディションは悪いままだった。
そんななか、スーパーフォーミュラ第3戦の決勝を前に20分間のウォームアップ走行が午後1時30分から予定されていた。ただ、霧の影響でセッションは5分ディレイ。13時35分に走行がスタートした。
しかし直後、最終コーナーで#64 山本尚貴が激しくクラッシュしてしまう。その車両回収、さらにクラッシュの影響で破損したガードレールの補修のため決勝レースは大きく遅れ、午後3時からレコノサンスラップが行われた後、15時35分からフォーメーションラップがスタートした。
霧は晴れたものの、やはり細かい雨粒が舞い続けており、スーパーフォーミュラでレースをするにはギリギリのコンディション。決勝はセーフティカースタートとなり、5周を周回した後、6周目にレースが始まった。
5番手からスタートした大湯は、水煙のなかポジションを守りレースを進めていく。一方、阪口はスタート直後の1コーナーで、#65 佐藤蓮と#7 小林可夢偉に挟まれるようなかたちになってしまい、わずかに失速。2ポジション下げてしまう。ただ直後、ふたたびセーフティカーが導入された。
これはスタート直前に8番手スタートだった#14 大嶋和也が最終コーナーでクラッシュしてしまったため。この車両回収のため12周までセーフティカーランとなり、13周目、ふたたびレースがスタートした。
しかし、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGのチーム全員にとって悪夢のような光景がモニターに映し出された。13番手からひとつポジションを上げていた阪口が14周目、最終コーナーでクラッシュしていたのだ。阪口はタイヤバリアがないところでクラッシュしており、ヘッドレストに頭部を打ち付けていたことから、ドクターカーの到着を待って車両から降りたが、クルマはフロアにまでダメージが及ぶ大きなダメージを受けてしまった。
この阪口のクラッシュを受け、レースは即座に赤旗中断となった。ウォームアップを含めれば3台が最終コーナーでクラッシュする状況のなか、レースは16時30分を前に、終了が宣言された。
幸い阪口は自力でクルマから下りることができ、歩いてピットに戻ってきた。赤旗中断前の12周時点の順位がリザルトになったことから、大湯が5位、阪口は12位という決勝結果となった。
阪口が無事であったこと、そして大湯が今シーズン初ポイントを獲得したことは不幸中の幸いだった。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは車両を修復し、次戦富士、そしてその前に行われる合同テストで復活を目指す。
COMMENTS
ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「身体は大丈夫です。自分が思っていた最終コーナーのグリップではなく、大きなクラッシュをしてしまったので皆さんにはご心配をおかけしてしまいました」
「フリー走行のフィーリングが良かったので自信をもっていたのですが、レコノサンスラップのときにグリップがないことを感じ、レースがスタートしてからもやはりグリップしづらかったですね。レースが落ち着いてからはペースを上げられそうな雰囲気もあったのですが、その前にクラッシュで決勝を終えることになってしまいました。クルマも大きくダメージを受けてしまいましたが、合同テストもあるので、そこまでにクルマをしっかり直して、次に向けて切り替えて頑張りたいと思っています」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「結果としては5位でした。表彰台を狙える雰囲気はありましたし、もう少しやれる手ごたえがあったなかだったので、もっと自分をレースで出したかったのです。でもこれもまたレースですからね。安全が第一なので仕方ないです。皆さんの前で自分らしいレースをすることができなかったのは残念ではありますが、今回のSUGOでは復調のきざしをみせられたと思っています」
「次戦の富士スピードウェイでのレースまでに合同テストも開催されますし、また雨のレースもあり得ると思っています。次戦までに足りない部分や反省などをしっかりと行い、ひとつずつステップアップして、次こそ優勝やポールポジションなど結果を残せるようにしたいと思っています」
立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA
「雨量がそれほど多いわけではありませんでしたが、グリップ、また視界が悪く、きちんとレースができず、応援しに来てくださった皆さんには申し訳ないと思っています。あまりにクラッシュも多く危険な状況だったので、赤旗は仕方がないと思っています。そのうちの1台は阪口選手でしたが、無事でいてくれたことは不幸中の幸いでした」
「また、実質レースらしいレースはできていませんが、大湯選手がハーフポイントとはいえ得点することができたのも良かったことです。勝てるパフォーマンスがあることが確認できましたからね。次戦の富士までに合同テストもありますし、しっかりとクルマを直して臨みたいと思います。応援ありがとうございました」