太田格之進が『あの少年』を招待へ。改めて語るもてぎの悲運と心境の変化「次に勝つのがより楽しみになった」
このレースで最も印象に残ったシーンのひとつが、マシンストップ後、公式映像に映し出されたグランドスタンドで号泣していたファンの少年。太田自身も「あの子をピットに招待したい」とレース後に語っていたほか、翌日には自身の公式Xでも以下のように投稿していた。(https://x.com/kakunoshin_ohta/status/1827994487219691818)
多くのファンの呼びかけもあり、投稿から数時間で少年のご家族と日本レースプロモーション(JRP)がコンタクトを取ることに成功。太田も「細かいところはこれから詰めていくことになりますが、(富士大会で)招待することは決まっています」と明かしてくれた。
改めて、あの少年を招待したいと思ったきっかけについて、このように話してくれた。
「レースが終わって、気持ち的にも少し落ち着いた時に携帯をみたら、Xであの子が泣いている映像がすごく回っていました。『これはなんだ?』となって、みなさんのコメントとかを見て状況を理解しました。そこから真っ先にチームに『この子を招待しようよ』と話をしました」
「こんなに小さい子が、ここまで応援してくれるし、最近は小さい子がサーキットに来て応援してくれる姿をたくさん見るようになりました。これからのレース界を考えても、すごく重要なことだと思います」
「そういう子たちがより楽しんでくれて、より感情移入して応援してくれることによって、10年、20年後のレース界が絶対に盛り上がると思います。応援してくれる子どもたちのために、より面白くなっていくというのは絶対にあると思います」
「個人的には業界を盛り上げるというよりも、あれだけ熱心に応援してくれている子なんだから『招待してもいいのではないか?』という気持ちが強かったです。チームに提案したら『そうだよね』というふうに言ってもらえましたし、周りの人たちも『昔キミ・ライコネンも同じようなことをしていたよね』とか言ってくれました」
そして、今週末はもうひとつの戦いであるスーパーGTの第6戦SUGOを迎える。今季、太田が所属するAstemo CIVIC TYPE R-GTは第2戦富士で3位表彰台を獲得しているが、中盤戦は思うようなレース運びができておらず、現在ランキングは9番手。チャンピオンを目指す上でも上位フィニッシュが欲しいところだ。
「GT500もSUGOを含めて今季残り4戦なので、このあたりで1勝しておかないといけないなと思っています。17号車は昨年トップチェッカーを受けたコースなので、相性は悪くないと思っています。とにかく勝つことだけを考えていますけど、今回は気温もかなり低くなる予報も出ているので、しっかりと地に足をつけてミスなくやっていきたいなと思います」と太田。
スーパーフォーミュラもてぎ戦の経験を経て、どのような進化を遂げているのか。目が離せないレースウイークとなりそうだ。