投稿日: 2024.10.15 12:57
更新日: 2024.10.15 13:09

横浜ゴム 2024スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦 レースレポート


スーパーフォーミュラ | 横浜ゴム 2024スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦 レースレポート

土曜と日曜で各1戦を行う富士ラウンドの1戦目は坪井翔選手が今シーズン2勝目を挙げ、ランキング争いでトップの野尻智紀選手に迫る2番手に浮上した!

 全日本スーパーフォーミュラ選手権は、シーズン第6大会を迎えた。今大会は、1大会で2レース制のフォーマットを採用したため、10月12日(土)に第6戦の公式予選と決勝が行われ、福住仁嶺選手(Kids com Team KCMG)が2度目のポールポジションを獲得。決勝では坪井翔選手(VANTELIN TEAM TOM’S)が今季2勝目をマークした。

 第6戦の予選、決勝に先立って、11日(金)には90分間のフリー走行が設けられた。ここでは佐藤蓮選手(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分22秒769のトップタイムをマーク。2番手は0.033秒差で岩佐歩夢選手(TEAM MUGEN)がつけ、3番手は福住選手だった。福住選手はトップから0.141秒差のこの結果に手ごたえを感じ、予選に向けても自信をのぞかせていた。

 ところが、いざ本番となり、グループBで挑んだQ1では、野尻智紀選手(TEAM MUGEN)が記録したトップタイムから0.570秒差の6番手。無事にQ2には進出したものの、前日の手ごたえから一転、上位からは大きな差をつけられてしまう。先に走行するグループAと比べると、グループBでQ2に進出したドライバーは、ポールポジション争いに向けた調整時間がわずかしかない。

 しかしその限られた時間の中で施したアジャストがうまく機能したか、Q2ではQ1の自己ベストタイムを1秒近く更新。1分21秒726をマークして堂々のトップタイムを飾り、第4戦富士大会に続き今季2度目のポールポジションを獲得した。2番手につけたのは太田格之進選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。福住選手とはわずか0.004秒差とあって悔しいフロントロウポジションとなった。3番手は野尻選手、4番手には岩佐選手が並んだ。

横浜ゴム 2024スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦 レースレポート
第6戦の予選でポールポジションを獲得した福住仁嶺(Kids com Team KCMG) 2024スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

 約5時間のインターバルを挟み、14時50分に決勝レースがスタート。ポールポジションの福住選手、2番手の太田選手がまずまずのスタートを切ったが、それ以上に見事なロケットスタートを決めたのは、岩佐選手だった。1コーナーまでに一気にトップに躍り出ると、オープニングラップをトップで終える。ただ2周目には後方から野尻選手の猛チャージを受けて100Rで2番手にポジションダウン。さらに3周目には坪井選手にもかわされ3番手に下がってしまった。

 岩佐選手は逆転を狙い、ミニマム周回数でのタイヤ交換を選択。10周を終えたところでピットに向かい早々にタイヤを交換すると、フレッシュタイヤでの追い上げにかかった。この時点でトップを走る野尻選手と「裏1位」の岩佐選手との差は39秒。同じタイミングでタイヤ交換を行った太田選手を背後にしたがえ、岩佐選手は野尻選手とのギャップを削っていった。

 野尻選手はレースがちょうど折り返し地点を迎える21周終了時点でピットイン。太田選手の後ろでコース復帰する。まだタイヤが温まっていないアウトラップでは、後ろにいた小林可夢偉選手(Kids com Team KCMG)にアドバンコーナーでかわされてしまったが、翌周のホームストレートではオーバーテイクシステム(OTS)も使って再逆転。ただ2台が争うことでペースが落ち、23周を終えたところでピットインした坪井選手の逆転を許すことに。坪井選手は野尻選手の前でコース復帰した。

 野尻選手は、坪井選手をとらえようと一気に迫ったが、アドバンコーナーのブレーキングでミスがあったか、タイヤスモークが上がりわずかに挙動が乱れた。坪井選手を逃がした上に、逆に小林選手に迫られてしまう。

 300Rから第13コーナーまでなんとか背後からの猛攻をしのいでいた野尻選手だったが、スープラコーナーでサイドバイサイドに持ち込まれ、そのまま最終コーナーへ。続く1コーナーで小林選手が完全に前に出て、野尻選手は事実上の5番手に後退することになった。

 小林選手は11番グリッドからのスタートだったが、オープニングラップでふたつポジションを上げると11周を終えたところでピットイン。早めのタイヤ交換が戦略として当たり、一気にポジションアップに成功した。野尻選手もとらえて4番手に上がると、さらに前を追いかける。31周目には、終盤に来てペースが下がり始めた太田選手をホームストレートでかわして3番手に浮上した。

 一足先、27周目に太田選手をとらえて2番手に上がったのは坪井選手。この周に、最後までタイヤ交換を引っ張っていた1台がピットに向かい、岩佐選手が名実ともにトップに戻ってきたものの、タイヤにマージンを持つ坪井選手が3秒後方まで迫っていた。この周にファステストラップを塗り替えた坪井選手は一気に岩佐選手に接近。

 30周を終えたところでは、両者の差は1秒を切るところまで縮まった。そして、最終コーナーでややコンパクトなラインを回って岩佐選手との差をさらに詰めた坪井選手は、ホームストレートでOTSも使って横に並びかける。岩佐選手は1コーナーで意地のブレーキングでトップを死守したが、続くコカ・コーラコーナーでわずかに止まり切れず。坪井選手はふたたび横に並ぶと、100Rで一気に岩佐選手を抜き、これでトップ浮上。

 残る10周で岩佐選手との差を4秒に拡げてトップチェッカーを受け、今季2勝目を飾った。序盤にタイヤ交換をしてから終盤までレースをリードしていた岩佐は、悔しい今季2度目の2位。3位には小林選手が入った。小林選手は2019年の第5戦以来、実に5年ぶりの表彰台となった。

■コメント
坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)【今回の成績:優勝】

「第4戦で優勝した時は4番手からのスタートだったので、7番手スタートの今回は頑張っても表彰台かなと思っていました。優勝できた最大の要因は、スタートで4番手に上がれたことに尽きます。ピットインのタイミングも適切で、すべてがうまくいきました。この富士で優勝しないとチャンピオン争いからは脱落してしまうと思っていたので、しっかり勝てて良かったです」

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