更新日: 2024.11.10 01:00
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿 レースレポート
第8戦 鈴鹿サーキット
2024年11月9日(土)
予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ
#38 阪口晴南
予選 7番手 決勝:4位
#39 大湯都史樹
予選 9番手 決勝:10位
2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、いよいよシリーズの最終大会を迎えた。舞台は開幕戦の地であった三重県の鈴鹿サーキット。今回は1大会2レース制で争われる。
3月に行われた第1戦では、阪口晴南がポールポジションも獲得しているVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、開幕での好結果の再現、そしてシーズンを良いかたちで締めくくるべく11月8日(金)14時25分から晴天のもと行われた1時間30分の専有走行に臨み、阪口が1分37秒990というタイムで9番手、大湯都史樹が1分38秒128で10番手につけセッションを終えた。
QUALIFY 公式予選
11月9日(土) 9:05~9:47 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分37秒043/#39 大湯都史樹 1分37秒131
迎えた11月9日(土)の鈴鹿は晴天に恵まれ、気温15度/路面温度16度というコンディションのもと午前9時05分から公式予選が始まった。まずA組に臨んだのは阪口だ。
前日の専有走行では第7戦まで続いたトラブルの対策を確認し、その後ロングラン等に取り組んでいたが、「専有走行全体がグリップ感が低く、タイムが出ていませんでした。公式予選に向けた上がり代を想像しながら取り組みたいです」と予選に向けて準備を進めてきたが、まずは1分37秒247というタイムを記録。Q2進出を果たしてみせた。
一方、B組に出走した大湯は、専有走行を終えた後の表情はかなり厳しいものだった。「専有走行ではかなり頑張ってあのタイムだったので、かなり苦しい状況でした。持ち込みからのコンセプトが合っていませんでした」という大湯は、予選に向けて大きくクルマを見直して臨んだ。
B組ではチェッカー間際にコースアウト車両が発生し赤旗中断になったことから、残り3分で再開されるイレギュラーな状況になったものの、大湯はここでアタックを行うと1分37秒448というタイムを記録。こちらも苦しい状況ながら、5番手でQ2進出を果たしてみせた。
ただ「状況はあまり変わっていません」と大湯。フィーリングは前日から改善しているものの、「Q1を通るかどうか」という手ごたえだったという。
2台は9時40分から行われたQ2に臨み、阪口が1分37秒043を記録し7番手に。「トップを狙おうとするとピークが足りませんでした」と阪口は予選を振り返った。
一方、大湯は「頑張って出した」1分37秒131というタイムで9番手に。阪口車との差も感じる結果ともなった。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGはグリッド中団から午後の決勝レースを戦うことになった。
RACE 決勝レース
11月9日(土) 14:44~15:44 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分41秒622(12L)/#39 大湯都史樹 1分42秒466(23L)
公式予選終了から4時間30分ほどというインターバルで迎えた決勝レースは、直前のスーパーフォーミュラ・ライツ第16戦のコースインが遅れた影響で、10分遅れの14時44分にレースの火ぶたが切って落とされた。
気温21度/路面温度31度というコンディションのもと迎えたスタートでは、阪口、大湯ともに好発進。阪口は6番手、大湯は8番手でオープニングラップを終える。
公式予選からフィーリングが好転していた阪口は、トップグループにピタリと食いつく走りをみせ、5周目には#64 山本尚貴をオーバーテイク。10周を終えてピットウインドウがオープンすると、アンダーカットを狙いピットイン。チームも迅速な作業で応え、早めにピットインした組の4番手につけることに成功した。
一方の大湯は、決勝に向けてセットアップを変更しており、これが奏功することを期待していたものの、やはりペースは苦しい。10周目には後方から#16 野尻智紀に近づかれる展開となっていた。
そんななか、チームには思わぬアクシデントが。12周目、序盤2番手を走っていた#65 佐藤蓮がピットアウトする際にタイヤが外れてしまい、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGのピット前で停止してしまったのだ。
幸い、大湯のピットインはまだ先だったこともあり展開には影響しなかったが、チームは#65 佐藤の車両の移動を手伝い、ピット前をクリアにした。
大湯は今回、レース後半にピットインし、フレッシュなタイヤで追い上げる戦略を採っていたが、18周目、ピット作業を終えた#19 平良響車のタイヤが外れ、コース上に制止してしまう。これでセーフティカーが導入されることになったが、チームはチャンスとばかりに大湯をピットへ呼んだ。
この戦略も手伝い、大湯は10番手にポジションアップする。セーフティカーラン明け、大湯は#14 大嶋和也をオーバーテイクしたが、その直後、#14 大嶋がバトルのなか接触を喫しストップ。二度目のセーフティカーランとなった。
この時点で、阪口は4番手、大湯は9番手。レースは実質残り3周で再開され、阪口は前を行く#5 牧野任祐を、大湯は#3 山下健太を追ったが、阪口が終盤まで好ペースを維持した一方、大湯はニュータイヤを活かせず、苦しい展開となってしまう。30周目には最後尾から追い上げた#15 岩佐歩夢にオーバーテイクを許してしまった。
レースはファイナルラップまで上位から下位まで緊迫した戦いが続いたが、最後は阪口が4位、大湯が10位でフィニッシュした。阪口はここ数戦続いたトラブルを克服した一方、大湯は苦境のなかで1点をもぎとる結果となった。
チームは第8戦で得た手ごたえと課題を11月10日(日)のシーズン最終戦に向けて活かしていく。
COMMENTS
ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「決勝レースではスタートも決めることができましたし、序盤のペースも良く1台を抜くことができました。またオーバーテイクシステムの使い方、ピットインのタイミングも作業も良かったです。アウトラップも良かったですし、何よりトラブルなくゴールまでクルマを運べたことに感謝です」
「チームの皆さん、TCDさん、エンジニアの皆さんにたくさん協力してもらったおかげだと思っています。順位だけではなく、いろいろな意味で今シーズンのベストレースになったと思っています。公式予選では上位との差はありますが、決勝はトップグループで戦える感覚はあるので、明日は表彰台のチャンスはあると思います。ギアを上げて、明日はトップ3で終わりたいですね」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「専有走行からいろいろなことに取り組んできましたが、状況はあまり変わりませんでした。予選では頑張ってタイムを出しましたが、Q1も通るかどうかというタイムしか出ない感触でした。レースではさらに不安なセットではありましたが、それが的中して厳しい状況になりました。ただ、作戦がすごく良かったですし、課題が多かったスタートは良くなっていました。ピットワークも改善されて、素早く送り出してくれました」
「終盤は10番手から追い上げたいところでしたが、戦えていませんでしたね。展開が味方してくれての10位だと思います。この不調の原因が分からないので、またしっかりと考え直して原因を探して一年を締めくくりたいですね」
監督 立川祐路 YUJI TACHIKAWA
「公式予選から阪口選手が上位に入り、決勝でもしっかりとペース良く走ってくれて、4位に入ることができました。ここ数戦トラブルが多い状況だったので、今回は予選から決勝まできちんとレースを戦い抜くことができたと思います。惜しくも表彰台には届きませんでしたが、明日はさらに一段上げて表彰台に乗って終わりたいですね」
「大湯選手については昨日から少し苦しいレースウイークになっています。レースでもセーフティカーのタイミングでニュータイヤに換えることができたものの、その良さを活かすだけのペースがありませんでした。明日に向けてしっかり立て直し、2台がそろって今シーズンベストの戦いができる最終戦にしたいと思っています」