更新日: 2024.11.11 00:00
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 レースレポート
第9戦 鈴鹿サーキット
2024年11月10日(日)
予選・決勝
天候:曇り 路面:ドライ
#38 阪口晴南
予選 6番手 決勝:13位
#39 大湯都史樹
予選 12番手 決勝:16位
11月8日(金)に開幕した全日本スーパーフォーミュラ選手権の今季最終大会もいよいよ最終日。第9戦の公式予選・決勝レースが行われる11月10日(日)を迎えた。前日の第8戦では、阪口晴南が好走をみせ4位に食い込み、第9戦での表彰台獲得を視野に入れる一方で、大湯都史樹は走行初日からいまひとつセットアップが良い状況ではなく、第8戦でも苦戦を強いられていた。阪口はさらなるパフォーマンスアップを、大湯はポテンシャルの底上げを目指し、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは曇り空のもと9時15分から行われた公式予選に臨んだ。
QUALIFY 公式予選
11月10日(日) 9:15~9:57 天候:曇り 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分37秒079/#39 大湯都史樹 1分37秒629
前日は爽やかな秋空に恵まれていた鈴鹿サーキットだが、11月10日(日)は雲が厚く、気温17度/路面温度19度というコンディションのもと公式予選が始まった。
まずスタートしたA組に臨んだのは阪口。前日は「ピークが出なかった」という予選だったが、第9戦ではその反省を踏まえたセットアップを施し臨んだ。前日からベースセットの良さは変わっておらず、1分37秒819というタイムを記録すると、A組の3番手につけしっかりとQ1を突破してみせた。
続くB組に出走したのは大湯。前日から予選ではドライビングでセットアップの厳しさをカバーし、タイムを引き出していた大湯だったが、この日も状況が大きく変わったわけではなかった。チェッカーに向け1分38秒259というタイムを記録すると、Q1突破ギリギリとなるB組の6番手に。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGはそれぞれ状況は違えど、2台がそろってQ2進出を果たした。
10分間のインターバルを経て迎えたQ2。前日はQ1からQ2に向けたアジャストに「失敗してしまっていた」阪口は、続々とタイムが記録されていくなか、1分37秒079までタイムを縮め、6番手につけてみせた。
「目標は5番手だったので少し悔しいですが、安定して上位グリッドにつけられたのは良かったと思っています」と阪口は今季最終戦での予選結果に納得の表情をみせた。
一方の大湯は1分37秒629というタイムを記録したものの、ライバルたちのタイムの上げ幅に対しては苦しい結果となり、結果は12番手。中団グリッドにつけた。
「前日よりも下位ですが、パフォーマンスを考えると『まあここだよな』という順位だったと思います」と大湯。不調の原因が特定しきれていないこともあり、苦しい予選となった。
RACE 決勝レース
11月10日(日) 14:34~15:28 天候:曇り 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分42秒755(2L)/#39 大湯都史樹 1分42秒899(14L)
前日同様、4時間30分のインターバルで迎えた第9戦の決勝レース。泣いても笑っても今季ラストレースだ。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、悔いを残さぬレースにすべく準備を整え、14時30分の決勝に臨んだ。午前よりも雲は厚くなっていたものの、気温20度/路面温度25度と気温が下がっているわけではなかった。
スタートでは、阪口はグリッドどおりの6番手につけていく一方、大湯は好スタートを切りふたつポジションを上げ10番手につける。ただ大湯はやはりベースのポテンシャルが苦しい。4周を過ぎる頃になると、後方から#3 山下健太の猛追をうけることになってしまい、10周目にはひとつポジションを下げ11番手となった。
そんななか、10周を終えてピットウインドウがオープンする。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2台のうち、まずは阪口がピットイン。作業を終え猛然とダッシュするものの、序盤後方にいた#37 笹原右京、#64 山本尚貴の先行を許してしまった。さらに翌周にピットインした#5 牧野任祐を一時はかわしたものの、13周目にはあっけなくオーバーテイクを許してしまう。阪口には何かしらの変調が起きてしまっていた。
一方の大湯は、11周を終えピットイン。14番手前後を争う位置からレース後半を戦っていったが、ここからの大湯は防戦一方となってしまう。
「シンプルにペースがないのがいちばんの要因です」と大湯は振り返ったが、16周目には#12 三宅淳詞、#14 大嶋和也に相次いでオーバーテイクされてしまった。
ペースが苦しいのは阪口も同様。前日の第8戦では決勝レースで終盤まで好ペースを保っていたが、この日は何かがおかしい。レース後に分かったことだがタイヤの内圧が当初予定したものよりも高く、タイヤが本来のパフォーマンスを発揮しないばかりか、車高が上がり適切なダウンフォースを生まない状況となってしまっていた。20周目、阪口は#3 山下、#7 小林可夢偉にポジションを奪われ、さらにその後も24周目、30周目にもオーバーテイクを許してしまった。
2台がともに苦しいレースとなってしまったVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGだが、最後は阪口が13位、大湯が16位でフィニッシュすることになった。前日の期待とは裏腹に、2台がノーポイントで今シーズンを終えてしまった。
「全然レースをさせてもらえませんでした。こんなことをやっていてはいけない」と阪口。また大湯も「悪い状況しかないレース」と悔しい表情をみせた。
一年を通してみれば、パフォーマンスが高いレースもあった。しかし年間を通じてそれを出さなければならない。チームは強くなって戻るべく、雌伏のオフシーズンを迎える。
COMMENTS
ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「公式予選では、前日の反省を踏まえて臨みましたが、想定よりもコンディションが良くない状況でした。第8戦よりも良い順位でしたし、安定して上位に食い込むことができたのは良かったです」
「決勝レースでは前日のペースにプラスアルファの要素を盛り込み臨んだのですが、まったく違うところで問題が出てしまいました。こんなことをやっていてはいけませんし、レースを台無しにしてしまいます。クルマのパフォーマンスは前日示したとおりなので、もったいないレースでした」
「昨年はパフォーマンスは低かったもののゴールはできていました。今年は真逆で、速さはあるのに完走できないレースが多かったです。開幕戦のポールがいちばんのピークでしたね」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「単純にペースがありませんでした。それに尽きるレースになってしまいましたね。予選でもパフォーマンスが低かったですし、第8戦はうまくいってあの順位だったので、今日の予選順位が『ここだよな』という位置でした。週末を通していろいろ取り組んできたものの、良いところは正直なかったです」
「もちろん課題だったスタートやピット作業などが向上していたのはポジティブですが、とにかくパフォーマンスがなかったですし、原因が何も見つけられない週末だったと思います。次に向けてまた悩むことになってしまいました。ただ完走してデータをとることもできましたし、来季に向けて最初から見直していきたいと思っています」
監督 立川祐路 YUJI TACHIKAWA
「今日は2台とも苦しいレースになってしまいました。決勝レースでのロングランのペースがどちらも悪く、残念な一年の終わりになってしまったと思います。今シーズンはもちろん良いときも悪いときもありましたが、安定感がない年になってしまったと思います」
「チャンピオンを争うチームはその点でつねにパフォーマンスを出すことができていますし、そのレベルにチームを上げていかなければと思います。シーズンオフはしっかりと課題に取り組み、やり直していきたいと思います。また強くなって2025年に戻ってきたいですね。一年間、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGにたくさんのご声援をいただきありがとうございました」