更新日: 2024.11.26 22:48
VANTELIN TEAM TOM’S 2024スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 レースレポート
第8戦/坪井翔が2位表彰台獲得で、年間チャンピオンに王手をかける。笹原は終盤のコースオフで15位
2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦『第23回JAF鈴鹿グランプリ』が11月9日(土)に鈴鹿サーキットで行われ、セーフティカーが二度導入される波乱のレース展開となったなか、予選5番手からスタートした坪井翔が3つポジションを上げて2位でフィニッシュ。今季6度目の表彰台に上がり、ドライバーズランキングでライバルとの差を広げる活躍を見せた。
一方の笹原右京はポイント獲得を目指して争うも、終盤にコースオフを喫して他車と接触し、1周遅れの15位でレースを終えた。
■予選/今季二度目の2レース開催。2台ともにQ2進出を果たし、坪井は5番手、笹原は10番手から上位入賞を目指す
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最終大会の舞台は鈴鹿サーキット。同地で3月に行われた開幕戦では2台揃って苦戦を強いられる結果となったが、その雪辱を果たすべく、ランキング首位につける坪井がチャンピオンを獲得することを最大の目標にレースウイークが始まった。
予選Q1のAグループに出走した笹原は、前日のフリー走行で披露した好調さを維持し、5番手でQ2進出を果たした。そのまま上位グリッドを目指してマシンの微調整を試みたが、その効果があまり表れず、1分37秒278で10番手となった。
一方、Q1のBグループの坪井は、他車のコースオフにより中断が入った影響でタイムアタックをやり直すことになったが、1分36秒896を記録しトップ通過。続くQ2ではポールポジションを目指してさらに攻め込んでいったが、トップから0.5秒差の5番手となった。ライバルの先行を許すもトヨタエンジンユーザーの中では最上位を記録。ポイントランキングを争うライバルよりも前の順位を手に入れた。
●坪井翔
「鈴鹿での開幕戦の調子がよくなかったので、持ち込みのセッティングはすごく悩みました。金曜日の走り出しは悪くなかったですがバランスは完璧ではなく、フリー走行で合わせ込んでいきましたが、いざ予選になるとライバルに先行されたのが悔しいです」
●小枝正樹 レースエンジニア
「本当はもっと上の順位が欲しかったというのが本音ですが、トヨタ勢のなかでは最上位で終えられましたし、自分たちがやれるベストは尽くすことができたと思います。チャンピオンを争うライバルより前の順位なので、そこはポジティブです」
●笹原右京
「予選の手応えとしては前回の富士と同じくらいだと思っています。Q1は他車に引っかかりましたがギリギリで Q2に進むことができました。そこから微調整をして臨んだのですが、思ったほどタイムを縮めることができませんでした」
●大立健太 レースエンジニア
「Q1を突破して、Q2に向けての微調整をどうするかで悩みましたが、変更した部分が少し裏目に出る結果となりました。そこが反省点ではありますが、金曜日のフリー走行の段階からクルマの方向性は間違っていなさそうなので、悲観することはないと思っています」
■決勝/SCが二度導入される波乱の展開で坪井は3ポジションアップの2位。ライバルとのポイント差を広げる。笹原は終盤にスピンを喫し他車と接触
天候:晴れ
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9日(土)午後の決勝レースは、序盤からトラブルやアクシデントに見舞われる車両が相次ぎ、途中で二度のセーフティカーが導入される波乱の展開となった。5番グリッドからスタートした坪井は、前方を走るポイントランキング2位の牧野が10周目にピットインしたのを見てペースアップし、次の周にタイヤ交換を実施。チームも迅速な作業で送り出し逆転に成功すると、最後まで堅実な走りをみせて2位でチェッカーフラッグを受けた。これで坪井はライバルとの差を18.5ポイントに広げ、最終戦でのチャンピオン獲得に向け有利な状態に持ち込んだ。
一方、10番手スタートの笹原は展開に恵まれて入賞圏内に進出するチャンスが到来したが、24周目のスプーンコーナーでライバルを追い抜いた直後に体勢を乱してスピン。他車との接触でフロントウイングを破損した。再度ピットインして応急処置を済ませたが、トップから1周遅れの15位でレースを終えた。
●坪井翔
「5番グリッドなので、レースペースがよければ表彰台争いに加われるだろうと思っていましたし、チャンピオン争いを考えると牧野選手を逆転するのが一番の目標でした。チームのタイヤ交換がすごく早くて、そのおかげで逆転できました」
●小枝正樹 レースエンジニア
「一番マークしなければいけないのはポイントを争う牧野選手だったので、彼がピットインした翌周に我々もピットに入りました。うまく逆転できればいいなと思っていましたが、坪井選手が頑張ってくれたのが大きかったです」
●笹原右京
「ちょうどピットストップした後にセーフティカーが入って、僕たちとしてはいい展開でした。終盤のスプーンカーブで前のマシンを外側から追い抜こうとした時に、少し攻めすぎてコントロールを失いました」
●大立健太 レースエンジニア
「ちょうど我々がピットストップを終えたところでセーフティカーが出たので、笹原選手にとって有利な展開でした。そのまま上手くいけばポイント獲得は確実でしたが、終盤のスピンが悔やまれる結果となりました」
●舘信秀 総監督
「2位の坪井はさすがというレースを見せてくれました。“富士マイスター”と言われているので、富士以外のコースでも勝ってほしかったですし、トップに追いつくことができなかったところは残念ではありますが、チャンピオンに一歩近づいたのはよかったと思います。このまま最終戦できっちりチャンピオンを決めたいです。対して右京は今回調子がよさそうなところがあっただけに、終盤のスピンは非常に残念でした」