更新日: 2024.12.20 17:38
San-Ei Gen with B-Max 2024スーパーフォーミュラ公式/ルーキーテストレポート
⼩出選⼿とチームにとって有意義な3⽇間のテストを終える
San-Ei Gen with B-Max(チーム代表 宮⽥雅史)は、12⽉11〜13⽇、鈴⿅サーキットで⾏われた、全⽇本スーパーフォーミュラ選⼿権(SF)公式テスト/ルーキーテストに⼩出峻選⼿を起⽤して参加しました。
3⽇間のテストは天候にも恵まれ、⼩出選⼿のSFに対する習熟と、来季に向けたセッティングの確認など、アクシデントもありましたが、予定したプログラムを概ねこなして終了しました。
■テスト1⽇⽬(12⽉11⽇(⽔)午前10時〜12時/午後2時〜4時)
昨年のテストにも参加している⼩出選⼿は、1年ぶりとなるSFに乗り込み慎重にコースイン。初⽇はSFの習熟を主⽬的に、午前中は34周、午後は42周と参加したドライバー18名のなかで最も多く周回を重ねました。
午後の⾛⾏では、⼆度のタイムアタックを⾏い、⼀度⽬に1分38秒093と⾃⾝が昨年のテストで記録したタイム(1分38秒435)を上回ると、セッション最後には1分37秒736までタイムを上げて、初⽇の⾛⾏を終了しました。
■テスト2⽇⽬(12⽉12⽇(⽊)午前10時〜12時/午後2時〜4時)
午前のセッションが始まってまもなく、タイヤを交換してピットアウトした⼩出選⼿は、アウトラップの2コーナーでスピン。マシン後⽅からタイヤバリヤにヒットし、リヤウイングとサスペンションにダメージを負ってしまいました。スタッフは、午後の⾛⾏に向け即座に修理に取り掛かりました。
修復されたクルマで臨んだ午後のセッションは、開始30分過ぎに1分37秒733をマークし、⾃⾝のベストタイムを僅かに更新。ロングランのテストを挟んで、再度のアタックでは、第1〜3セクターの区間タイムはベストをマークしていましたが、最後のシケインで痛恨のスピンを喫してしまい、タイム更新はなりませんでした。
この⽇で⾛⾏を終えるレギュラー陣に挑むかたちとなった、終盤のアタックでは、今回のテストのベストとなる1分36秒803 をマークしました。トップタイムは牧野選⼿の1分35秒597で、これが今回のテストの総合トップタイムでした。
■テスト3⽇⽬(12⽉13⽇(⾦)午前9時30分〜11時/午後1時〜2時30分)
この⽇は、ルーキー対象の⾛⾏枠で台数も少なくなりましたが、来季のF1レギュラードライバーのオリバー・ベアマン選⼿の参加もあり、注⽬のセッションとなりました。
⼩出選⼿は、午前の序盤に1分38秒492をマークすると、以降はロングランのテストを⾏い、このセッションで最多の32周を記録しました。終盤に1分37秒656までタイムアップしましたが、昨⽇のタイムには届きませんでした。
最後のセッションは、3〜4周してはピットインを繰り返し、最後のアタックに向けてセッティングを進め、残り17分で1分37秒490をマーク、残り5分を切ってから最後のアタックに⼊りました。
しかし、少し前を⾛っていた⾞両がS字でクラッシュしてしまい、アタックを中断。⾛⾏はこのまま終了となり、やや消化不良な終わり⽅となってしまいました。それでも、3⽇間を通して、178周を⾛り、⼩出選⼿はSF⾞両に対する理解を深め、チームとしてもさまざまなセットをトライして多くのデータを収集することができ、有意義なテストとなりました。
チーム監督 本⼭哲コメント
「3⽇間、周回もかなりしましたし、ニュータイヤでのアタック、ロングラン、そして、クラッシュの洗礼も受けて、本当にいろいろな経験ができ、有意義なテストでした。⼩出選⼿も1年ぶりのSFでしたが、良く⾛ってくれたと思います。昨年と⽐べても成⻑を感じることができました」
「ただ、スーパーフォーミュラで戦うためには、もっと貪欲にタイムを出しに⾏く姿勢など、ドライビングや精神⾯も含めてスキルアップしなければいけない部分もあるように感じました。早い段階でポイント圏内を⾛ることができるよう、そして表彰台と⽬標を⾼く持って、チームとして積極的にサポートしていきたいと思います」
チーフエンジニア 宮⽥雅史コメント
「1⽇⽬は、⼩出選⼿のSFへの習熟をメインにしましたが、2⽇⽬以降は、いろいろ試すことができました。シーズン中とは異なる⽅向性でのセットや、気温の低い冬場ならではの空⼒⾯のトライをしました。来年の開幕は3⽉初旬とまだ寒い時期ですしね」
「⼩出選⼿は去年も⾛っていますが、ニュータイヤでの本格的なアタックはほとんど初めてでしたので、ウォームアップも含めて、SF できちんと1周まとめ切ることの難しさは、感じていたと思います」
「いずれにしても、ドライバーもクルマもかなりの距離を⾛ることができましたので、貴重な経験やデータを得ることができました。これらを踏まえて、オフの間にしっかり準備をしたいと思います」
ドライバー ⼩出峻選⼿コメント
「いろいろな経験をすることができ、成⻑できた3⽇間でした。この経験で得た良い部分はさらに伸ばし、悪い部分は繰り返さないようにしたいと思います。SFはやはり異次元で、エンジン、タイヤ、ダウンフォースなどの、内に秘めたエネルギーが、今まで経験してきたカテゴリーとはレベルが違うと感じました。SF を構成するすべてのものが、⾼い次元で結集され成り⽴っている最⾼のカテゴリーだと思います」
「⾛りに関しても、SFのポテンシャルを引き出すために、これまで経験したことのない繊細さが求められます。『針の⽳を通す』という表現がありますが、その⽳の⼤きさがこれまでとは⽐べ物にならないほど⼩さいという感じです」
「特にニュータイヤでのアタックに関しては、本当に⼀発勝負で、ミスをしたからもう1周ということができないので、1周にすべてを集約するため、タイヤのウォームアップをし、マシンを最⾼の状態にし、それを引き出すドライビングをするという、すべてを⾼いレベルで揃えなければならないと実感しました」
「ロングランに関しては、レースを想定しながら⾛りましたが、感触は悪くありませんでした。レース中のペースに関しては⾃信を持つことができました。ただ、上位でフィニッシュするためには、やはり予選が重要ですので、課題はそこですね。ニュータイヤでのアタックをもう⼀段階、⼆段階、引き上げたいと思います」