ガスリーは岡山を実際に走るのは初めて。シミュレーターで走行しているとはいえ、コース習熟中でのクラッシュはガスリーにとってもチームにとっても痛い。星エンジニアも、「クルマは第1戦鈴鹿のレースペースが良くなかったので、調子の良かった16号車と情報共有をして、セットアップの対策をしてきたのですが……」と声が重い。
テストでは常にホンダ陣営のトップだったガスリー。前回の開幕戦鈴鹿でも予選で実戦での難しさを露呈してしまったが、この岡山でも流れの悪いスタートとなってしまった。
ガスリーとは違うが、占有走行で予想以上に順位が低かったのが、この岡山で本命と見られていたP.MU / CERUMO · INGINGとVANTELIN TEAM TOM’Sの2チーム。もちろん、この占有走行は各ドライバーで前回からのタイヤを引き継いでタイヤの使用状況が違うとはいえ、果たして実際はどんな状況だったのか。石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)に聞いた。
「セットアップをいろいろやりすぎて、最後のタイムは上がらなかったのですが、走り始めのセットアップのフィーリングが良かったですし、ユーズドのタイムが良かったので、明日は今日と同じ位置になるとは思っていません。今日の結果からいろいろアジャストしていけばと思っています」と石浦。
その石浦の言葉を促すように、トップタイムをマークした伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も、結果についてはまったく、喜んでいる気配が見られない。
「トップタイムといえどもタイムは僅差ですし、翌日には順位がまるで変わってしまうのが今のスーパーフォーミュラ。クルマはまだまだ納得できるセットアップではないですし、金曜もどのくらいのクルマがアタックに行っているのかわからない状況ですから、明日になってみないとわかりません。むしろ、金曜にタイムが出てしまって、セットアップを大きく変えずらい状況になってしまったような感じもあります」
「岡山は実はGTではほとんど表彰台に上がっているサーキットで結果はいい。スーパーフォーミュラでも昨年3位ですが、今日の結果からは全然、楽観はしていません。明日、走行してみてからですね」と伊沢。
伊沢の言葉どおり、その日の路面コンディションで上位の顔ぶれが大きく変わるのがスーパーフォーミュラ。昨年優勝のセルモを筆頭に、トムス、ダンデライアンが岡山での結果がいいが、果たしてどうなるか。
予選、決勝と変則2日間の開催になる第2戦岡山のゆくえが見えないまま、まずは慌ただしい1デイ開催の土曜日を迎えることになる。