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「個人的な話ですが、もてぎと聞けばやっぱり応援席のことを真っ先にイメージします。そこで応援してもらえることが、僕にとって特別なシチュエーションですからね」

 気づけば応援席も10年目を過ぎ、山本はその間に全日本F3選手権・Nクラス、そして全日本選手権スーパーフォーミュラでシリーズタイトルを手にする。ドライバーとして大きく成長した傍らには、常にツインリンクもてぎというホームサーキットがあった。

「家族で遊びに来ていた場所でレースをするようになり、育ててくれた場所なのかもしれませんが、どちらかというとそれよりも一緒に育ってきたような感じがするんです。僕はカートからフォーミュラやGTレースをするようになって、その間、もてぎの中にもいろんな施設ができてきて進化していきましたからね」

 子供心に描いたもてぎは「すごく華やかな世界だった」という山本。「きれいな施設も多く、迫力があった。その後、震災の影響などもあり大変な時期もあったでしょうが、訪れるお客さんへいつも感動と興奮を与えてくれる場所であってほしいと思います」と、ともに成長してきたサーキットへ思いを寄せる。

 ところで、FCJでの初優勝をはじめF3での優勝をツインリンクもてぎで達成している山本だが、実はトップカテゴリーではホームサーキットの勝利は未だ。

「20年という節目の年に、トップカテゴリーでの地元優勝をぜひ成し遂げられたらいいなと思います。20周年に花を添えるという意味でも、ドライバーとしてがんばらないと」

 ツインリンクもてぎは、山本にとってこれからも長く付き合っていく“同士”なのだろう。

地元のもてぎでFCJ初優勝を果たし、ガッツポーズでチェッカーを受ける山本尚貴
地元のもてぎでFCJ初優勝を果たし、ガッツポーズでチェッカーを受ける山本尚貴
2007年のFCJもてぎ戦で、第15戦に続き第16戦でも優勝を飾った山本尚貴(中央)。2位の山内英輝(左)と3位の国本京佑(右)
2007年のFCJもてぎ戦で、第15戦に続き第16戦でも優勝を飾った山本尚貴(中央)。2位の山内英輝(左)と3位の国本京佑(右)

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